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侍ジャパン強化試合で分かった、投手陣の“ただ1つの不安”… 打線は“大谷翔平のように”動く球とSSK社製ボールに対応できるか 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2021/07/26 17:05

侍ジャパン強化試合で分かった、投手陣の“ただ1つの不安”… 打線は“大谷翔平のように”動く球とSSK社製ボールに対応できるか<Number Web> photograph by JIJI PRESS

初戦のドミニカ戦で先発予定の山本由伸

 だからこそ改めて繋ぎの野球に徹すること。「国際試合の鉄則は逆方向」ということを徹底できるか。そういう打撃をできる打者を軸に打線を組んでいくことが1つのポイントだ。

 それと同時に外国人特有の投球リズムと速くて動くボールへの対応もある。

大谷翔平も足を上げる打撃フォームを修正した

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手もメジャーに渡ってすぐに足を上げて大きくタイミングをとる打撃フォームからすり足へと修正している。それだけ外国人投手のテンポの速い投球、手元で動くボールに対応するにはできるだけ動きを省く必要があるということだ。

 日本の打者は大きく足を上げてタイミングをとる打撃が主流だ。それでも柳田のように国際試合で外国人投手を相手にタイミングをしっかりとれる選手、また鈴木や坂本勇人(巨人)のように足の上げ方を変えて対応できる打者が結果を残してきた。一方、浅村や近藤健介(日本ハム)のようにしっかり右方向を意識してポイントを近づけることによって結果を残すタイプもいる。

 しかしなかなか結果が残せなかったのが山田で、その山田も試合数をこなすことでようやくここにきて適応できるようになってきている。

 そういう選手が打線の軸になるはずだが、そこでポイントを握るのが3番に予定されている吉田の存在だ。

 吉田もまた典型的な足を大きく上げてタイミングをとるタイプの打者で、代表初選出となった「プレミア12」では5試合20打数で短打が4本と苦戦を強いられている。

 高い打撃技術で逆方向に長打も打てて、率も残せるというのが日本での吉田のバッティングの特長だ。しかしその持ち味を「プレミア12」ではなかなか発揮できなかった。背景にはやはり外国人特有の投球テンポと動くボールへの対応という課題があったということだろう。

オールプロで臨んだアテネと北京の2大会では苦杯をなめた

「国際試合では逆方向」と語っていたのは代表経験豊富な内川聖一(ヤクルト)だ。その言葉を思えばやはり吉田を含めて日本の打線がある程度、長打を捨ててでもどれくらいポイントを近づけて、逆方向を意識した打撃ができるか。

 そこに打線の活路が見えてくるはずなのである。

 メジャーリーガーの参加もないことから、一時は楽勝ムードも漂った五輪の戦いである。しかしそれぞれが国を背負った戦いは、何が起こってもおかしくないし、そうしてオールプロで臨んだアテネと北京の2大会では苦杯を舐めたのが現実だ。

 悲願の金メダルへ、1戦1戦を確実に勝ち上がっていく戦いが求められる。

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