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侍ジャパン強化試合で分かった、投手陣の“ただ1つの不安”… 打線は“大谷翔平のように”動く球とSSK社製ボールに対応できるか
posted2021/07/26 17:05
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
3大会ぶりにオリンピックの競技種目に復活した野球は7月28日、福島あづま球場での日本対ドミニカ共和国戦で開幕する。
1984年のロサンゼルス五輪以来、またオールプロによるドリームチームとしては初めての金メダル獲得を狙う日本代表「侍ジャパン」は、19日から仙台で直前合宿を張り、24日には楽天、25日には巨人と強化試合を戦い最後の実戦調整を行なった。
楽天戦は終盤に投手陣が逆転を許し3対5で黒星を喫したが、最後の巨人戦では打線が機能して本番を想定したリリーフ起用で5対0と零封勝ち。
「非常にいい形で終われました。あとは良い形で28日を迎えられるようにしっかり調整していきたい。(本番は)無観客試合でファンの声援というのはなかなか聞くことはできませんが、テレビの前でたくさんの方が応援してくれているということを我々は胸に、金メダルを取れるように全員で戦っていきます」
試合後の稲葉篤紀監督はこう本大会への決意を語った。
本番まであと2日。
そこで強化試合2試合を通じて見えてきた金メダルへの収穫と課題を、投手陣と攻撃陣に分けて考えてみたい。
【投手陣】
投手陣は概ね順調に仕上がっている。
開幕のドミニカ共和国戦の先発は山本由伸(オリックス)で2戦目のメキシコ戦が森下暢仁(広島)。ノックアウトステージ初戦の先発には経験豊富な田中将大(楽天)というローテーションが確実だ。