箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「箱根駅伝常連校」の変化、慶応と立教に“急激な成長”の予感? 「駒大一強」時代のレースに見た夏合宿前のチーム事情
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph bySatoshi Wada
posted2021/06/23 11:02
全日本大学駅伝関東選考会で日本人2位に入った東京国際大・丹所健(中央/4番)。同校は1位で本選出場を決めた
「駒大一強」の声が大きいが…
取材を終えて、各大学のマイクロバスがある駐車場を歩いていると、運転席に座っていた神奈川大学の大後栄治監督が、窓を開けて声を掛けてくれた(大学長距離界では、自らハンドルを握る監督が多い。一度、合宿地の狭い道を超絶技巧で運転していく東洋大の酒井俊幸監督を見て、たまげたことがある)。
神奈川大の結果は11位。「7枠あるので今年は狙っていきます」と話していただけに、想定外の結果だったのだろう。
「残念ですね。まだ、脚が出来ていない選手が多かったということです。箱根駅伝の予選会に向けて、もう一度、しっかり作り直さないといけません」
落胆の色が見えた。雨が降る夜、きっと神奈川大のキャンパス近くにある合宿所まで、バスの中は静かなことだろう。
全日本大学駅伝の本番は、11月7日。
今年の勢力図は「駒大一強」の声が各所から聞こえてくるが、夏合宿を経て、この予選会の通過校も、走るのが叶わなかった学校も、どんな成長を見せてくれるだろうか。
ひと夏で、学生は大きく変わる。