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「箱根駅伝常連校」の変化、慶応と立教に“急激な成長”の予感? 「駒大一強」時代のレースに見た夏合宿前のチーム事情 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph bySatoshi Wada

posted2021/06/23 11:02

「箱根駅伝常連校」の変化、慶応と立教に“急激な成長”の予感? 「駒大一強」時代のレースに見た夏合宿前のチーム事情<Number Web> photograph by Satoshi Wada

全日本大学駅伝関東選考会で日本人2位に入った東京国際大・丹所健(中央/4番)。同校は1位で本選出場を決めた

20チーム中16位の立教に「爪痕」を残した選手が

 期待値が高まっている立教は、2018年12月に上野裕一郎監督が就任して、実質の指導は3年目となる。ただし、昨年10月に行われた箱根駅伝予選会では、慶応が19位、立教が28位と苦戦を強いられた。

 今回は20チーム中16位。ただし、「爪痕」(つめあと)を残した選手がいる。3組目で走った服部凱杏(2年/佐久長聖・長野)だ。

 服部は高校時代から実績があり、進学先が注目されていた選手だ。日本選手権の1500mにも出場予定だが、この日は序盤から40人から成る集団を先頭で引っ張った。

「自分のペースで気持ちよく走れましたよ。最初から引っ張るつもりはなくて、結果的に前に出る形になっただけですけど」

立教の急激な成長がいつになるか

 途中、1000mのラップが2分40秒台に上がった時があったが、服部は番手を下げたものの、冷静だった。

「もう一度、ペースは落ちてくると思ったので、中団で様子を見てました。そのおかげでラストを上げられました」

 冷静なレース運びは、名門校で磨かれたセンスだろうか。ラスト一周もしっかりと上げてフィニッシュ、タイムは29分22秒88の自己ベストだった。

「上野監督から、今日は組トップか、自己ベストのどちらかを狙っていこうと言われていたので、とりあえず目標はクリアしましたけど、もう少し勝負に絡みたかったですね」

 今後はトラックで記録を狙いながら、10月の箱根予選会に照準を合わせていくという。

 この日走った立教の8人の選手構成は、4年生が1人、2年生が5人、1年生が2人。29分台は3人と、今年度にいきなり箱根の本戦出場は難しいだろうが、徐々にベクトルは上向いている。

 過去、長年の低迷から抜け出して箱根に出場するチームは、急激な成長を見せるもの。その年がいつになるか。

【次ページ】 「駒大一強」の声が大きいが…

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