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“宮本恒靖の監督解任”でも勝てない……G大阪の危機は「クルピ監督就任」から始まったのかもしれない

posted2021/05/24 17:03

 
“宮本恒靖の監督解任”でも勝てない……G大阪の危機は「クルピ監督就任」から始まったのかもしれない<Number Web> photograph by Getty Images

22日のFC東京戦を0-1で落とし、19位に転落したガンバ大阪

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 開始1分の失点がガンバ大阪にとってはすべてだった。

 これまで11試合で3得点、複数得点がないチームにとって先制点を奪われた精神的なショックは外から見ていても容易に分かるほどだった。選手は動揺し、FC東京の攻撃に受け身になり、立て続けに2点、3点取られてもおかしくない状況が続いた。

 徐々に落ち着きを取り戻して後半は圧をかけて攻めたが、FC東京の堅い守備に手こずり、得点ができない。

「クロスは何本かいいのが入っていたんですが、中に入るタイミングとか入り方を改善しないといけないですし、DFから背後の攻撃が多くなって、待ち構えている守備を切り崩すことができなかった」

 試合後、松波正信監督はそう語ったが、攻撃は単発で迫力を欠き、得点の匂いがあまり感じられなかった。5人の交代枠をフルに使いきったがスコアは動かず、今シーズン6試合目の完封負けを喫し、これで4連敗。1勝4分7敗(勝ち点7)で19位に転落した。 

この“危機”はどこから始まったのか?

 宮本恒靖の監督解任というショック療法も通じず、松波監督になって、これで2連敗。9年前、J2に降格した時、12試合を終えた時点の成績は、2勝3分7敗(勝ち点9)だったが、その時よりも今回は勝ち点が少ない。しかもその時の戦力よりも今回はスケールダウンしている。今のチームには頼れる遠藤保仁も今野泰幸も加地亮も明神智和も家長昭博もいないのだ。しかも4チームが自動降格。それだけにチームは危機感でいっぱいだろう。

 だが、この状況は、果たして今に始まったものなのだろうか。

 2018年、レヴィー・クルピが監督に就任した時からクラブのビジョンと強化に何かしらの齟齬が生じていったのではないだろうか。

西野時代を越える「強いチーム」に

 クルピは若手育成に定評があり、攻撃的サッカーを具現化し、タイトルを奪還すべく招聘されたが、4勝3分10敗で16位に低迷し、解任された。急遽、トップの監督を任された宮本は今野らを起用して降格危機にあったチームを救い、第25節から第33節にかけて9連勝を記録するなど10勝3分4敗の成績を残し、最終的に9位に順位を押し上げた。翌年からは自らが中心となってガンバの世代交代を推し進め、西野朗時代を超える強いチーム作りの陣頭指揮に当たった。

 それがクラブの狙いであり、宮本監督のミッションだった。

【次ページ】 「遠藤をうまく使いながら世代交代」もできたのでは?

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