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“宮本恒靖の監督解任”でも勝てない……G大阪の危機は「クルピ監督就任」から始まったのかもしれない 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2021/05/24 17:03

“宮本恒靖の監督解任”でも勝てない……G大阪の危機は「クルピ監督就任」から始まったのかもしれない<Number Web> photograph by Getty Images

22日のFC東京戦を0-1で落とし、19位に転落したガンバ大阪

 19年には攻守に貢献してきた今野がジュビロ磐田に完全移籍し、米倉恒貴がジェフユナイテッド市原・千葉に移籍した。昨季は世代交代が加速し、オ・ジェソクが名古屋グランパスに完全移籍。さらにガンバのレジェンドである遠藤が磐田への期限付き移籍でチームを去り、その代わりに山本悠樹、高尾瑠、川崎修平、福田湧矢ら若手を積極的に起用した。山本、高尾らはシーズンを通して、レギュラーポジションを任され、ある程度の結果を残し、世代交代への推進が順調のように見えた。

「遠藤をうまく使いながら世代交代」もできたのでは?

 だが、彼らのいずれも今シーズンは怪我をしたりして、伸び悩んでおり、昨季ほどの活躍を見せられずにいる。「任された」というのは、全員が熾烈なレギュラー争いの中でポジションを奪い取ったという感ではなかったということだ。川崎フロンターレのように油断するとすぐにポジションを奪われる厳しい環境と同じ“競争”が進んでいたとは思えない。それでもチャンスを与えられたのであれば1年だけではなく、2年、3年とつづけてポジションをキープし、結果を出し続け、チームの軸となる選手が生まれていれば、本当の意味での世代交代が実現できていたかもしれない。

 今にして思えばドラスティックに若手にシフトするのではなく、ベテランの遠藤をうまく使いながら世代交代を推し進める、そんな余裕がクラブにも監督にあっても良かったのではないだろうか。

 シーズン前、昌子源は「試合の流れを変えられるし、存在自体大きいのでヤットさんがいなくなったのはチームにとって大きい」と語っていた。ピッチで戦う選手は、特別な選手がチームに与える影響力の大きさ、そのプレーの凄みを理解している。昌子らにしてみれば苦しくなった時のベテランの存在の重要性を鹿島時代に小笠原満男らとプレーすることでわかっていただけに、遠藤の移籍を本気で残念に思っていたのだと思う。

声を出していたのは「東口と昌子だけ」だった

 ガンバは今、勝てないことに加え、世代交代の過渡期にあるチームに起こりがちな多くの困難を抱え、難しい状況にある。宮本監督の解任という劇薬を投じても蘇生できず、状態はさらに悪化しつつある。FC東京戦を見ても連敗中で元気がないのは分かるが、しかし、試合中、声を出しているのは東口順昭と昌子だけだった。

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