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プロ野球選手の出身地別盗塁数(2020年)を日本地図にすると… なぜ群馬が3位に急浮上するのか
posted2021/02/03 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
2020年一軍成績を各都道府県別でみるプロ野球日本地図。安打と本塁打はほぼ同じ傾向だったが、盗塁はかなり様相が変わってくる。ダイヤモンドを駆け巡る韋駄天が多いのは、どの都道府県だろうか。
以下、都道府県別盗塁ランキングで、盗塁数が多かった2選手を挙げている。カッコ内は選手1人当たりの盗塁数である。
1兵庫県・84盗塁(1.8盗塁)
近本光司(神)31盗塁、小深田大翔(楽)17盗塁
2大阪府・79盗塁(1盗塁)
福田周平(オ)13盗塁、松原聖弥(巨)12盗塁
3群馬県・71盗塁(3.7盗塁)
周東佑京(ソ)50盗塁、安達了一(オ)15盗塁
4和歌山県・50盗塁(3.3盗塁)
西川遥輝(日)42盗塁、山崎晃大朗(ヤ)8盗塁
5大分県・49盗塁(3.3盗塁)
佐野皓大(オ)20盗塁、源田壮亮(西)18盗塁
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昨年は、各チームに走りのスペシャリストが登場して話題となったが、彼らの活躍を反映したランキングとなっている。
1位の兵庫県には新人から2年連続盗塁王の阪神近本、そして楽天の新鋭小深田がいる。2位の大阪は最多のプロ選手数81人という“分母の多さ”によって盗塁数が増えているという面がある。
周東効果で3位の群馬は今も昔も“俊足王国”?
注目すべきは3位の群馬県である。
育成上がりでパの盗塁王になったソフトバンク、周東の登場でぐんと飛躍した。
この県は、古くは通算347盗塁の中日の中利夫、三塁打王に4回輝いた東映の毒島章一など足の名手を輩出してきた。また少し前に「機動破壊」で話題となった健大高崎高も群馬県だ。今後も期待が持てる。
4位には周東とタイトルを競り合った日ハム西川がいる和歌山県が入っている。そして5位は投手から転向して走りのスペシャリストになったオリックス、佐野がいる大分県と、安打・本塁打とは少々違う様相を呈している。
6東京都・46盗塁(1盗塁)
茂木栄五郎(楽)8盗塁、鈴木誠也(広)6盗塁
7埼玉県・42盗塁(1.8盗塁)
和田康士朗(ロ)23盗塁、上林誠知(ソ)8盗塁
8神奈川県・38盗塁(0.8盗塁)
塩見泰隆(ヤ)13盗塁、田中広輔(広)8盗塁
9愛知県・33盗塁(1盗塁)
堂林翔太(広)17盗塁、大島洋平(中)16盗塁
10福岡県・31盗塁(0.6盗塁)
中島卓也(日)11盗塁、牧原大成(ソ)、田中和基(楽)6盗塁
11岡山県・28盗塁(1.7盗塁)
小郷裕哉(楽)、藤岡裕大(ロ)8盗塁
12奈良県・25盗塁(1.6盗塁)
荻野貴司(ロ)19盗塁、西浦直亨(ヤ)4盗塁
13徳島県・24盗塁(2.7盗塁)
増田大輝(巨)23盗塁、杉本裕太郎(オ)1盗塁
14青森県・23盗塁(3.3盗塁)
外崎修汰(西)21盗塁、木浪聖也(神)2盗塁
15千葉県・22盗塁(0.5盗塁)
丸佳浩(巨)8盗塁、重信慎之介(巨)5盗塁
東京都、広島カープの鈴木誠也はセ・リーグ最強打者の1人だが、走力もある。
ロッテ和田は埼玉、巨人・増田は徳島出身
同じ関東地方の埼玉県ではこれも昨年、走り屋として売り出したロッテの和田がいる。また徳島県の巨人・増田も昨年足で売り出した。和田、増田ともに育成上がりで。足に磨きをかけてのし上がった感がある。