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作者の名は「藤井聡太」でSNSざわつく…藤井二冠と斎藤慎太郎八段「年1度の詰将棋」がつないだ美しき関係 

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諏訪景子

諏訪景子Keiko Suwa

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posted2021/01/16 17:03

作者の名は「藤井聡太」でSNSざわつく…藤井二冠と斎藤慎太郎八段「年1度の詰将棋」がつないだ美しき関係<Number Web> photograph by KYODO

2018年の詰将棋解答選手権で問題を解く藤井聡太六段(当時)

 ふたりは翌年のチャンピオン戦で初めて顔を合わせる。斎藤八段は、「チャンピオン戦には棋士が多く出場しているので、小さな子供が出ているとそれだけで意識します」と話す。腕自慢の小学生がチャンピオン戦に挑戦する姿は、それ以前から見られたが、低学年の子が100点満点中51点という奨励会員並の成績を挙げたのは衝撃的だった。

 チャンピオン戦は例年、2~3カ所で同時に競技を行って、正解数と解答時間を集計して順位を出す。2011年3月に開催されたこのときは、東日本大震災の余震の可能性を考慮して東京会場と大阪会場で別々の集計が行われ、東京と大阪でふたりの優勝者が表彰された。大阪会場では斎藤八段が初優勝を遂げている(東京会場では前年のアマ名人・井上徹也さんが優勝した)。

 斎藤八段は「藤井さんが奨励会三段に上がるまでは、年に一度の解答選手権のときだけ会う関係でした」と振り返る。1年ごとに藤井少年は身長とともに、棋力も伸びていた。そして第11回(2014年)、藤井「初段」が驚くべき活躍を見せる。

「トイレに行くのかと思った」

 第1ラウンドで、藤井初段は全6問を制限時間90分のところ、20分で解き終えたのだ。大阪会場でともに出場していた久保利明九段は「トイレに行くのかと思った」と後に語っている。斎藤八段は「解答選手権では競技が始まると周りのことは気にならなくなるのですが、藤井さんが速すぎて集中が途切れましたね」と振り返る。

【次ページ】 「将棋の棋士は、勝負師と研究者と芸術家の顔がある」

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