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《衝撃の箱根駅伝》往路12位…優勝候補・青学大に何が起きたのか? 「大失速につながった」3つのミス
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2021/01/02 19:00
優勝候補筆頭と言われた青山学院大学だったが、まさかの往路12位に沈んだ
大失速につながった「3つのミス」
原監督は留年までして5区を走る気持ちを見せてきた竹石尚人を評価し、彼自身も山を走るために結果を残してきた。だが、期待された竹石は、レース中、痙攣のために3度、脚を止めた。それは、2年前のデジャブでもあった。あの時のように竹石はズルズルと後退していく。結果、「意識と走りが一致しなかった」と区間17位に終わり、チームは12位に落ちた。
「4区の佐藤一世が盛り返したが期待の竹石が大きく後退し、ゲームオーバーになった」
原監督は力のない声で、そう語った。そして同時に、全日本大学駅伝が終わった後「ミスが2つも起きたら勝てない」と語っていた言葉を思い出す。
高速駅伝は、一つのミスでアッという間に奈落のドン底に落とされるが、今回の箱根駅伝で青学大は2区14位、3区14位、5区17位と3つの区間で想定外のミスが起きた。
神林ショック、それにともなう区間配置のミス、そして3区間のブレーキ。これだけ揃えば、いくら選手の能力が高い青学大でも勝てない。
唯一の光明となった、4区ルーキーの走り
ただ、すべてが悪かったわけではない。4区で佐藤(1年)が区間4位と好走した。
「襷をもらった時は前との差を詰めることを考えてスタートしたんですけど、前半は良いペースでした。でも、後半タレてしまったので、そこが課題かなと思います」
そう語るように、まだ伸び代がある。暗い展開が続いたレースの中でルーキーが見せた走りは、青学大にとって唯一の光明だった。
原監督は、トップの創価大に7分35秒差をつけられた結果を受けて、復路についてこう語った。