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年間47&151も違う…「パ高セ低」を示す2つの数字 セ・リーグに“攻撃的精神”が求められるワケ 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/12/17 11:02

年間47&151も違う…「パ高セ低」を示す2つの数字 セ・リーグに“攻撃的精神”が求められるワケ<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

効果的な内角攻めで巨人打線を封じ込めたソフトバンク。日本シリーズ第1戦のエース千賀の投球は、大きな分岐点となった

パの選手たちに目立つ“冒険心”

 戦術、ドラフトを見てきたが、もちろんプレーしている選手個々の意識の違いもある。

 与死球数、盗塁数、競合覚悟の1位入札の根っこにあるものが冒険心というならば、MLBに挑戦するのも選手の冒険心だ。この分野でも野茂英雄(元近鉄)、イチロー(元オリックス)、ダルビッシュ有、大谷翔平(元日本ハム)、田中将大(元楽天)などパの選手が目立っている。

 また選手個々のプレーにおいても、パの投手は前述したように腕を振って150キロ以上のストレートでぐいぐい押しまくり、内角を積極的につく。柳田悠岐をはじめとする打者はフルスイングでこれをとらえようとする。柳田、中田翔(日本ハム)、吉田正尚(オリックス)、山川穂高(西武)、浅村栄斗(楽天)のような激しいフルスイングが、セでは山田哲人(ヤクルト)くらいしか見られない。インパクトで押し込む強さという点で言えば、岡本和真(巨人)、鈴木誠也(広島)、村上宗隆(ヤクルト)でさえもやや不十分に思えるのだ。

 そういう基本的な精神構造の違いこそ、05年以降の「パ高セ低」現象に少なからず関係していると筆者は考えている。

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