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西武・源田壮亮は3年連続ベストナイン受賞をなぜ「驚いた」のか “うまくいかないとき”も主将として…
posted2020/12/17 17:01
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Hideki Sugiyama
埼玉西武ライオンズの源田壮亮が3年連続3回目のベストナインを受賞した。
「選んでいただいたと聞いてとても驚きました。シーズン前の目標であった全試合に出場し、1年間戦えたことがよかったと思います」
球団広報を通じて喜びのコメントを伝えた。
最後まで一貫していた源田の言葉
2020年シーズンの源田の姿勢は一貫していた。
「とにかくどんなときも前を向いて、最後まで諦めずに戦います」
パンデミックに襲われた未曾有のシーズン。キャンプ前の、まだ感染症が広がっていない時期を含め、シーズン中も幾度か源田に話を聞く機会があったが、常に源田の口をつく言葉は変わらなかった。
下を向かない。
前を見て戦う。
決して諦めない。
これまで経験したことのない試合方式で、試合数も通年とは違う。感染者の増加によっては何が起こるかわからない状況で目標を立てるのはさぞや難しかっただろう。源田のコメントには、もう、そう腹を決めて戦うしかないという覚悟を感じた。
「個人の目標は全試合に出ること。それが、いちばんチームのためにもなると思っています。本当に誰も経験したことのないシーズンになると思います。全然、計算も立たない、そんな感じなので。原点に返って、一日一日を全力で戦う。そこだけだと思いますね。とにかくシーズンを戦いぬくことが大事だと思います」
最終戦となった11月9日、福岡ソフトバンク戦の試合終了後、応援団席の前に挨拶に向かった源田も、今季の目標通りしっかりと「前を向いて」いた。昨シーズン、クライマックスシリーズで敗れた際には涙を流し、ずっとグラウンドに視線を落としていた源田だったが、今年は観客席を真っ直ぐに見つめていた。「一戦一戦、全力を尽くす」と誓った、主将としての凜とした姿だった。