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攻撃+手堅い“師匠モウリーニョ風” 2年目ランパード・チェルシーの「勝ちたければ守れ」 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2020/11/03 06:00

攻撃+手堅い“師匠モウリーニョ風” 2年目ランパード・チェルシーの「勝ちたければ守れ」<Number Web> photograph by Getty Images

チェルシー2年目を迎えたランパード監督。名将への道を着々と歩んでいる

攻撃陣も徐々に良くなっている

 攻撃陣はスコアレスドローが続いた後でも良くなっている。

 開幕当初、チェルシーでは2列目の左サイド起用がハマらなかったティモ・ベルナーは、セビージャとマンU戦では最適と思われる1トップで起用された。ベルナーの背後が定位置となりつつあるハバーツの両サイドには、移籍2年目のクリスチャン・プリシッチ、さらには新戦力のハキム・ジエシュが怪我から戻って構えている。

 実際、2試合連続無失点に気を良くしたチェルシーは、ロシアに飛んだ10月28日のCLグループEの2節ではシステムを4-2-3-1に戻して、7割以上のボール支配率を誇ってFCクラスノダールから順当勝ちを収めた(4-0)。

 序盤は、ランパードが「ファースター!」と叫んだようにパス回しの遅さが目立ったが、37分にベルナー、ジエシュ、ハバーツの3人が絡んだお膳立てから、カラム・ハドソン・オドイが先制点を挙げる。

 そして1点リードで迎えた70分過ぎ、指揮官はジョルジーニョから守備範囲の広いエンゴロ・カンテと交代する逃げ切り策を講じつつ、プリシッチとメイソン・マウントの投入で「攻め切り」も狙う3枚替えを見せた。

 その結果、プリシッチが奪ったPKからベルナーが力強く追加点を奪う。続けてベルナーのアシストからジエシュが自身の初先発に花を添えるゴールで勝負の行方を決め、最後はフィニッシャーに回ったプリシッチがダメを押した。相手GKの拙守とハンド判定の助けもあったため、4点差での勝利は出来過ぎとも言えるが、無失点勝利には説得力がある。

「勝ちたければ守れ」

 T・シウバが完全休養でロンドンに残ったアウェイゲームは、ズマが集中力を維持してクリアやブロックを見せ、最後尾ではメンディがセーブで要所を締めた。直前の2試合で狙って手にしたクリーンシートの先には、ランパードのチェルシーでは初めてとなる3戦連続無失点があった。

 もちろん攻守両面で改善の余地は多々あるが、自信を増したチームには、バーンリー、シェフィールド・U、ニューカッスルとのリーグ戦で確実に結果を出し、11月29日の10節トッテナム戦でも手堅く勝利を狙える可能性が高まった。

「急がば回れ」ではないが、時には「勝ちたければ守れ」である。
 

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