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《小柄な選手世界歴代ベスト10》1位はマラドーナ、2位はメッシ、では3位は…? 

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パトリック・ウルビニ

パトリック・ウルビニPatrick Urbini

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posted2020/09/28 17:00

《小柄な選手世界歴代ベスト10》1位はマラドーナ、2位はメッシ、では3位は…?<Number Web> photograph by L’Équipe

左からシャビ、マラドーナ、コパ、メッシ。

あと10cm高かったらメッシはメッシになれていない

 もしも身長があと10cmか15cm高かったら、メッシは今のメッシには絶対になっていなかった。踝の柔らかさと初速のスピード、長短自在のドリブル、一度立ち止まって再び加速する際のモビリティ、足元にボールを置いたときの卓越した能力……。そうした身体的なプレーは、相手と対峙した際に最も威力を発揮し、屈強な相手も屈服させたのだった。その独創的で予測不能なプレーとゴール前の決定力。それらはすべて彼の特異な体型と低い視線から生まれたものではないのか……。

 ただ、アルゼンチンだけが、時間と空間を自由にコントロールできる小型アタッカーを独占しているわけではない。そうしたタイプはどの時代にもどこにも存在する。たとえば1967年のチャンピオンズリーグ決勝におけるセルチック・グラスゴーのインテル・ミラノに対する勝利は、ふたりの小柄なウィング、ジミー・ジョンストンとボビー・レノックスによってもたらされた。西ドイツの1990年W杯優勝は、トーマス・ヘスラー、ピエール・リトバルスキ、オラフ・トーンという3人の小兵なしにはあり得なかった。そして今、イングランドには、ラヒーム・スターリング(170cm)という世界で最も捉えどころのないアタッカーがいる。かつてポルトガルに、ルイ・バロシュ(159cm)という超小型アタッカーがいたように……。

爆発的なスタミナでサイドを支配したロベルト・カルロス

 小柄だからといって、エネルギーやアグレッシブさ、スプリント能力が劣っているとは限らない。むしろその逆で、相手のエースを容赦なく無力化したノビー・スタイルズやベルティ・フォクツ、エドガー・ダビッツらを思い浮かべることができる。彼らの系譜は、無尽蔵のエネルギーを脚に蓄えながら戦いを厭わず、ボールを狩り続けるマルコ・ベラッツィやエンゴロ・カンテに見ることができる。だが、かつてのビセンテ・リザラズやフィリップ・ラーム、今日のジョルディ・アルバ、そしてとりわけ全時代を通じてのロベルト・カルトスのような、爆発的なスタミナでサイドを支配するディフェンダーたちが、主役として脚光を浴びることはほとんどなかった。

 リザラズはロベルト・カルロスを「彼は後方からスタートする左ウィングだ」と評した。

 生来のアタッカーが守備を学び、マークの仕方を覚えてヨーロッパにやって来た。168cmの身体から繰り出されるシュートは力強く、プレーの加速とリズムの変化はまさに自在だった。サイドバックでありながら生涯に100を超える得点とアシストを記録したのは、まさに突出した才能だった。

【次ページ】 「ボールを支配する10番」レイモン・コパ

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