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バイエルンにフランス人が多いのはなぜ……ルンメニゲが振り返る「リベリーと別荘での2時間」
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byGetty Images
posted2020/09/23 08:01
2019年、バイエルンはDBPカップを制覇。トロフィーを掲げるリベリー
――これからもヨーロッパのトップクラブであり続けるために、どんな哲学を具体的に持っていますか?
「バスティアン・シュバインシュタイガーやフィリップ・ラーム、フランク・リベリー、アリエン・ロッベンがチームを離れて世代交代が一気に進み、ここまでとてもうまくやっている。今のチームで30歳を超えているのはマヌエル・ノイアーとロベルト・レバンドフスキの2人だけだ(註:実際はこれ以外にも、トーマス・ミュラーなどをはじめ30歳超えた選手が在籍)。この2人は、それぞれのポストで世界最高の選手だからね。
これからの2シーズンは日程がもの凄くきつくなる。だからできる限りグループを拡充していきたい。アルフォンソ・デイビス(19歳、カナダ)は大成功だった。実績のあるビッグネームよりも、彼のように将来性のある若手をさらに獲得していきたい」
――ただ、新戦力に関しては、バンジャマン・パバールを除きフィリペ・コウチーニョもルカ・エルナンデスもイバン・ペリシッチも、最初のシーズンは期待通りの活躍ができませんでした。
「われわれのグループは16~17人のワールドクラスの選手たちで構成されている。新しく加入した選手が、既存のヒエラルキーを覆すのにひとシーズンかかるのは仕方がない。だが、レオン・ゴレツカなどは、チームに合流した当初はそれなりのものでしかなかったが、今日では貴重な戦力の一端を担っている。この2年で著しく成長し、将来ワールドクラスに到達するのは間違いない。新戦力は忍耐強く見守る必要がある」
バイエルンとPSGの違いは?
――では、バイエルンとPSGとの違いはどこにありますか?
「パリはキリアン・ムバッペやネイマールなど世界的なスターに関心を寄せている。つまりグループの構成がわれわれとは異なっている。PSGには大いに敬意を抱いている。ドルトムントとのCLラウンド16は、2試合とも主導権を握る戦いをして突破は順当だった。とりわけパルク・デ・プランスでの第2戦は素晴らしかった」
――ビッグクラブによるヨーロッパ・スーパーリーグ構想が立ち上がって久しいですが、明日にも実現するのでしょうか?
「バイエルンは特定のクラブのみによるスーパーリーグにはまったく関心がない。現状のCLは理想的なフォーマットであるし、UEFAとの関係も極めて良好だ。スーパーリーグが日の目を見るとすれば、それは全会一致で承認されたときのみだ。今日、危機的な状況に直面して、すべてにおいて合理的な判断が迫られている。現状のフォーマットは未来のフォーマットでもある。どうしてそれを変える必要があるのか? CLは魅力に溢れた大会だ。選手も監督もクラブ首脳もサポーターも、誰もが満足している」