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タブロイド紙の“煽り報道”に要注意 ランパードがチェルシーで名将となるための試練

posted2020/09/23 19:00

 
タブロイド紙の“煽り報道”に要注意 ランパードがチェルシーで名将となるための試練<Number Web> photograph by Getty Images

2000年代チェルシーの中盤を取り仕切ったランパード監督。現役時と同じくメディアとの付き合い方も1つの大事な要素となるはず

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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 善きにつけ悪しきにつけ、チェルシーの歴史はロマン・アブラモビッチから始まった。

 2003年、ロンドン西部の強豪を買収したロシア人オーナーは、強化のために投資を惜しまなかった。市場価格を破壊し、みずからの好き嫌いで世界中から名選手をかき集めた。しかも現場に介入する。

「選手は揃えてやった。あとは分かっているだろうな」

 結果が伴わなかった場合はもちろん、「あなたのチームは面白くない」との理由で解雇された、カルロ・アンチェロッティのようなケースもある。

 オーナー就任から今日まで、暫定人事も含めた監督は12名。セレソンの監督を務めたルイス・フェリペ・スコラーリ、リバプールをチャンピンズリーグ優勝に導いたラファエル・ベニテスも、アブラモビッチとはうまく付き合えなかった。

 解雇されて当然だったのは、アンドレ・ビラス・ボアスだけだ。アブラモビッチ体制下では唯一の勝率5割以下。40戦19勝11分10敗。4割7分5厘で首を切られている。

ランパード監督の意見を色濃く反映

 したがってフランク・ランパード現監督も、その座は約束されていない。

 オーナー主導だった過去のプランと異なり、今夏の新加入選手はランパードの意見が色濃く反映されているのだからなおさらだ。

 辛抱強いとはいえないアブラモビッチが、「あなたのリクエストにすべて応えた。言い訳は許されない」とでも言わんばかりのニュアンスで、拙速に答を出すリスクが常に付きまとう。

【次ページ】 モウリーニョとヒディンクと人心掌握

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