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バイエルンにフランス人が多いのはなぜ……ルンメニゲが振り返る「リベリーと別荘での2時間」 

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アレクシス・メヌーゲ

アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge

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posted2020/09/23 08:01

バイエルンにフランス人が多いのはなぜ……ルンメニゲが振り返る「リベリーと別荘での2時間」<Number Web> photograph by Getty Images

2019年、バイエルンはDBPカップを制覇。トロフィーを掲げるリベリー

 私は即座に『フランクの契約延長に賭ける』と反論した。ヘーネスも同じ意見だった。そして実際に、フランクはほどなくしてバイエルンとの契約を延長した。賭けの戦利品として、南フランス産の最高級赤ワインをせしめたよ(笑)。

『フランクの残留は100%確信していた』とヘーネスは後に語っていた。彼はフランクにとって第二の父親のような存在で、私は第二の母親のような存在だからね(笑)」

――多くのフランス人選手が在籍しながら、バイエルンにはまだひとりもフランス人監督が誕生していません。ニコ・コバチの後任としてアーセン・ベンゲルに声をかけなかったのでしょうか?

「アーセンとは電話で話した。だが、彼にはバイエルンの監督になる意志はなく、われわれも具体的なオファーは出さなかった。過去を遡れば、1990年代のはじめ(1994年)に彼はミュンヘンに来る機会があった。フランツ・ベッケンバウアー、ウリ・ヘーネスとともに私はニースで彼と昼食をともにした。このときは合意に達したのに、後にアーセンはどうしたわけか断りを入れてきた(註:モナコに説得され契約を延長したが、直後に成績不振で解任された。その後、最初にオファーを受けた名古屋グランパスの監督に就任)。私から見たら彼は常に立派な紳士であるし、アーセナルでは素晴らしい偉業を成し遂げたと思っている」

ビッグネームよりも「将来性のある若手」を獲得したい

――バイエルンがブンデスリーガ8連覇を達成したことでマンネリ化し、リーグの魅力が損なわれると思いますか?

「面白さの点では何も心配していない。去年の秋にわれわれは、首位から勝ち点7引き離されていたことを思い出して欲しい。あのときはCL出場権を確保できるかどうかも不安で、今年に入り驚異的な連勝記録を打ち立てた(17試合で16勝1分)からこその優勝だった。それに2018~19年シーズンも、優勝が決まったのは最終節で、2位のドルトムントとは勝ち点2しか差がなかった」

――それでは今のブンデスリーガで、バイエルンの最大のライバルはどこでしょうか?

「それは常にボルシア・ドルトムントだ。プレーのクオリティは高く、選手も若い才能を揃えている。移籍市場が活発化して選手を引き抜かれない限り、来季のやっかいなライバルになるのは間違いない」

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