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巨人が失敗した情報伝達のやり方。
広島戦3連敗と30年前西武に4連敗。

posted2020/08/28 11:50

 
巨人が失敗した情報伝達のやり方。広島戦3連敗と30年前西武に4連敗。<Number Web> photograph by KYODO

「データが入れば入るほどに相手が大きくなってしまった」と振り返った槙原(左)。デストラーデ(右)らを擁する強力な西武打線に捕まった。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

 情報伝達の難しさ。

 8月23日のマツダスタジアム。

 巨人が広島戦で今季初めて3連戦3連敗を喫した舞台裏で、こんな出来事があったという話を聞いた。

 試合後に取材対応を終えた巨人・原辰徳監督がバスに乗り込む直前にスコアラーを呼び止め、数分間に渡って何かを話していた。

 一夜明けた24日、取材を受けた監督がその内容をこう説明したという。

「スコアラーとして『あるバッターに対して(投手に)どういう風に指導、伝えているの?』というのをね。伝える側が『このボールから入らなくちゃいけない』とか『ボール(球)から入りなさい』とか、そういうのはすごく後ろ向きな言い方になるでしょ」

 要は相手打線に対する投手への情報伝達の仕方を確認していたということだったのだ。

自軍の投手の力を引き出すようなデータの伝え方。

 この3連戦は初戦で先発の田口麗斗投手が初回に先頭打者を歩かせたのを含めた2四球に3ランを含む5安打を集められて5失点。

 第2戦も先発の畠世周投手が同点の3回に四球を連発して一気に6失点と崩れて試合が壊れた。

 そして3連敗目の前夜も同点の8回に大竹寛投手が先頭の代打・坂倉将吾捕手に初球のスライダーを狙い打たれて決勝点を与えてしまっている。

 もちろんこうした投手陣の失点のすべてが、原監督の指摘する「後ろ向き」なスコアラーの情報伝達が理由というわけではない。

 ただ、逆に相手の打者に合わせるのではなく、自軍の投手の力を引き出すようなデータの伝え方があったなら、打者への向かい方がもっとアグレッシブになっていたのではないか。

 そんな思いが監督の頭にはあったのではないだろうか。

【次ページ】 30年前、巨人は情報伝達に失敗した。

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