酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
甲子園ヒーローと無縁校ベスト9。
清原&松坂vs.長嶋&稲尾の豪華さ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKatsuro Okazawa/AFLO(L)、Katsuro Okazawa(C)、Masahiko Ishii(R)
posted2020/06/02 08:00
春夏の甲子園を制した松坂大輔と清原和博、一方で甲子園と無縁だった長嶋茂雄……野球人生は人それぞれだ。
甲子園無縁のベストナインは……?
<「甲子園全く無縁」選手のベストナイン>
〇投手
小山正明
高砂-阪神-東京-ロッテ-大洋
320勝232敗 防御率2.45
小山が卒業した兵庫県立高砂高校は、昨夏の兵庫大会で準決勝まで進んだものの甲子園出場はなし。プロ入り後は「針の穴を通すコントロール」で史上3位の320勝を挙げた。後輩に90勝した神部年男(高砂-三菱製紙-富士鉄広畑-近鉄-ヤクルト)がいる。
稲尾和久
別府緑ヶ丘-西鉄
276勝137敗 防御率1.98
1961年にシーズン42勝した歴史的な大投手。大分県立別府緑ヶ丘高校の現校名は大分県立芸術緑丘高校。今は芸術系高校となり、野球部はない。先輩に同じく西鉄で活躍し、113勝した河村英文(別府緑ヶ丘-東洋高圧大牟田-西鉄-広島)がいる。
村山実
住友工-関西大-阪神
222勝147敗 防御率2.09
住友工業高校は、現市立尼崎双星高校。村山以外にプロ野球選手は出ていない。プロ入り後は長嶋茂雄のライバルとして名勝負を繰り広げる。阪神が誇る2大エース、小山正明と村山実は、ともに甲子園無縁校の出身だったのだ。
斎藤雅樹、千賀、岸も無縁の高校。
無縁高出身の名投手は枚挙にいとまがない。221勝した皆川睦雄(米沢西-南海)、189勝の石井茂雄(勝山-阪急-太平洋・クラウン-巨人)、187勝の足立光宏(西-大阪大丸-阪急)、180勝の斎藤雅樹(市立川口-巨人)などがそう。
現役でも千賀滉大(蒲郡-ソフトバンク)や岸孝之(名取北-東北学院大-西武-楽天)などのエース級も甲子園とは無縁の高校出身だ。
〇捕手
相川亮二
東京学館-横浜-ヤクルト-巨人
4429打数1150安打69本、打率.260
いわゆる「打てる捕手」として活躍した。筆者は当初このポジションは野村克也だと思っていたが、野村の母校である京都府立峰山高は、1999年春の甲子園に出ている。このほか金田正一の球を受けた根来広光(府中-東京鉄道管理局-国鉄・サンケイ-阪急)も甲子園には無縁の高校の出身だった。