それぞれのチームで打順を組んでみる。

　無名ベストナインもなかなかの壮観だ。最後に両チームの先発オーダーを組んでみよう。

＜甲子園で活躍した選手＞
1番　中堅手　柴田勲
2番　二塁手　高木守道
3番　三塁手　原辰徳
4番　一塁手　王貞治
5番　指名打者　清原和博
6番　左翼手　新井宏昌
7番　遊撃手　立浪和義
8番　右翼手　弘田澄男
9番　捕手　達川光男
先発　平松政次
先発　桑田真澄
先発　松坂大輔

＜甲子園無縁校の選手＞
1番　遊撃手　広瀬叔功
2番　右翼手　糸井嘉男
3番　左翼手　山本浩二
4番　三塁手　長嶋茂雄
5番　指名打者　山内一弘
6番　一塁手　小笠原道大
7番　中堅手　秋山幸二
8番　二塁手　松原誠
9番　捕手　相川亮二
先発　小山正明
先発　稲尾和久
先発　村山実

　打線は互角だろう。走力もあれば、長打力もある。守備の名手もそろっている。一方で投手陣を見ると、時代の違いはあれど「甲子園無縁校」チームの方がプロに入っての実績は上だ。

　甲子園で酷使され燃え尽きなかった投手の方が、その後の伸びしろが大きい――かねてより存在していた論を補強するものと言えるだろう。

　野球選手にとって、甲子園は大きな「勲章」だ。しかし人生も野球人生も、その先ずーっと続く。以後の努力次第では、勲章がなくても素晴らしい未来が待ち受けているのだ。

　今回の甲子園中止は、高校球児や指導者の責任ではない。早く気持ちを切り替えて、前を向いて歩いてほしい。