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五輪延期は日本スケートボード界に
とっては明るい材料!? その理由とは。
text by
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph byYoshio Yoshida
posted2020/04/29 08:00
ライバルの堀米雄斗が見つめる先でトリックをメイクするナイジャ・ヒューストン。彼は堀米より4歳年上になるが、1年後の伸びしろは果たして……。
10代の才能ある選手が揃っている日本。
男子ストリートでは、ランキング1位のナイジャ・ヒューストンが1994年11月30日生まれの25歳であるのに対して、2位の堀米雄斗は1999年1月7日生まれの21歳で4歳の開きがある。
さらに国内2番手の4位白井空良は18歳、3番手の13位青木勇貴斗に至っては16歳とまだまだ若い。
女子ストリートもランキング1位のパメラ・ローザが20歳、4位のレティシア・ブフォーニが27歳、7位のマライア・デュランが23歳であるのに対して、日本勢は3位の西村碧莉が18歳、2番手の11位織田夢海に至っては13歳の中学2年生という若さだ。
もちろん女子パークも例外ではなく、ランキング6位のドラ・ヴァレラが18歳、5位のリジー・アーマントが27歳なのに対し、ランキング1位の岡本碧優が13歳、2位の四十住さくらが18歳、9位の開心那に至っては最年少の11歳という驚きの若さとなっている。
この相対的な選手層の若さが日本にとっては有利になる。
協会はそのように現状を捉えているようだ。
五輪予選4戦4勝の日本人選手も。
確かにいつの時代も、どのスポーツも若手の突き上げは欠かせないものであるし、それが業界の活性化に繋がることは間違いない。
ただ、当たり前のことではあるがそれだけで勝敗が決まるものでもない。
しかし、スケートボードは他のスポーツと比べても若年層の突き上げが顕著なのもまた事実だ。
それは直近1年間のコンテストの結果からも見て取れる。
この1年では白井空良がソラグラインド(フロントサイドのオーバーターンからのフェイキー5-0グラインド。今まで誰もやったことがないトリックだったことからこう呼ばれるようになった)、岡本碧優が540(お腹側に540°回るエアートリック)という、今や代名詞となったキラートリックを武器に、五輪予選大会に当たるコンテストで優勝。メダル候補として注目を集めるようになった。しかも岡本碧優に至っては、五輪予選4戦4勝の負けなしで金メダルに最も近いとまで言われている。
そんな彼らに共通していることは、どちらもまだ伸び代が十分にある十代の若手であり、武器となるトリックを身につけ急激に世界的ブレイクを果たしたこと。
加えて言うなら堀米雄斗や西村碧莉が世界的に注目を浴びるようになった2017年当時の年齢も、堀米が18歳であり、西村は15歳だった。