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五輪延期は日本スケートボード界に
とっては明るい材料!? その理由とは。
posted2020/04/29 08:00
text by
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph by
Yoshio Yoshida
2021年7月23日開幕。
およそ1年の延期となった東京オリンピック。
原因は言わずもがな新型コロナウイルスの世界的感染拡大である。
もちろんスケートボード界もその例外ではなく、競技を管轄するWORLD SKATEからも5月末までに予定されていた全ての五輪予選大会の開催を見送ることが正式に発表されている。
世界各国で都市封鎖が行われ、日本でも緊急事態宣言が出された今は未曾有のバイオハザードの渦中にあり、人々の健康が最優先事項であることは間違いない。しかし、未来に目を向ければこの決定が多かれ少なかれメダル獲得の行方に影響を及ぼすであろうことも想像に難くない。
特に日本勢のメダル獲得が有力視されていた競技であった場合、この出来事がマイナスに働くことになってしまうのではないかと危惧している人もいるのではないだろうか。その中でスケートボードも数多くのメディアからメダル獲得の有力種目と目されてきた。
では、この事実を関係者や選手たちはどう思っているのだろうか。彼らの言葉から、現状を打破した先にある未来に向けた可能性を探っていきたい。
先頭をいく選手に追いつき、追い越す事も。
「日本チームは下が11歳から上は21歳という若い年齢層の選手で構成されています。まだまだ育ち盛り、伸び盛りの選手ばかりです。出来る(知っている)トリックも限定されており、またその完成度も、年齢層の高い多くの外国(アメリカやブラジル)の選手に比べたらまだ完璧とは言えません。
そんな中、1年延期されたことで多くの時間を練習に費やすことができるようになったので、先頭をいく選手に追いつき、追い越す事が可能になったと考えます。これから再計画されて決まってくる、多くの世界大会までも時間があるので、ランキングポイントの面から見ても日本の選手には有利に作用する事と思います。
世界がとても厳しい状況にある現在ではありますが、スケーターのモチベーションが下がらない様に出来るだけのサポートや激励をしていきたいと思います」
これはオリンピックにおけるスケートボード競技を管轄するWORLD SKATE JAPANからの言葉だ。このメッセージからは、日本は総じて年齢層が低いことが大きな特徴であることが読み取れる。
実際に世界ランキング上位の外国勢と日本勢の年齢を比べてみても、それは如実に表れている。