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久々に素敵で完璧なミラノダービー。
インテルとミラン復権の第一歩に。 

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神尾光臣

神尾光臣Mitsuomi Kamio

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photograph byGetty Images

posted2020/02/14 18:00

久々に素敵で完璧なミラノダービー。インテルとミラン復権の第一歩に。<Number Web> photograph by Getty Images

イブラヒモビッチの個の力を封じ、勝ち切る。コンテ率いるインテルに、チームとしてのたくましさを感じる。

ユーべが敗れ、インテルが首位に。

 その先のゲームコントロールは、インテルが上手だった。前半をハイペースで飛ばした一方、引いて守るプランを選択できなくなったミランを尻目に、ブロゾビッチを軸に右へ左へボールを展開。圧力をかけてペースを握り、後半25分のCKのチャンスをしっかりと活かしてステファン・デフライの逆転ゴールにつなげた。

 インテルはその後、エリクセンを投入して試合を落ち着かせ、カウンターの構築が上手いルカクの能力を生かして守って攻めるというプランにはめた。そして最後は、ルカクがきっちりと4点目を追加して試合を閉めた。

 同節にユベントスがベローナに敗れたため、インテルは同勝ち点ながら得失点差で首位。勝ち点1差でラツィオも追走しており、23試合を終えて勝ち点1差に3チームがひしめく18年ぶりの接戦状態となった。

 逆転ゴールを決めたデフライは「このチームの気持ちが現れた。今日のゴールのことは今後もずっと忘れないだろう」と喜んだ。インテルが最後まで優勝争いに絡むようなら、まさに節目の一戦として記憶されることになるはずだ。

イブラは母国報道陣に反省の弁。

 敗れたミラン、イブラヒモビッチは母国スウェーデンから詰めかけた報道陣を前に反省を口にした。「2点を取った時点で満足してしまった。リードを築いたらそれを保つような戦い方をしないとね」。残念な結果で、ゲームコントロールという課題も突きつけられた格好だが、かつての大エースを軸に立て直す方向性の正しさは確認できた。

 ピオリ監督は「前半のサッカーを出発点にしていくしかない」と語っている。

 欧州トップクラスへの返り咲きを目指す両クラブが、歴代屈指の内容のダービーをやり遂げた。その財産は、今後どのように生かされていくのだろうか。

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