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マンUウッドワード副会長の功罪。
なぜ超拝金主義者が強化担当に?

posted2020/02/13 19:00

 
マンUウッドワード副会長の功罪。なぜ超拝金主義者が強化担当に?<Number Web> photograph by Getty Images

ユナイテッドのウッドワード副会長(右)。ビジネスの才覚がある一方で、強化の分野については……。

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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 体裁だけは整えた、とでも思っているのだろうか。

 今冬の移籍市場で、マンチェスター・ユナイテッドはスポルティングからブルーノ・フェルナンデスを獲得した。移籍金はボーナスを含めて約100億円。ビッグビジネスである。

 ただ、今回も交渉は難航した。

「移籍間近」「48時間以内にクラブ間で合意か」と伝えられながらも、着地点をなかなか見出せず、一時は破談とさえ言われた。

 ユナイテッドの強化担当は、“あの”エドワード・ウッドワード副会長である。移籍市場で足下を見られ、エージェントの言いなりになりつづけている男だ。

補強の当たり年は2019年夏くらい。

 サー・アレックス・ファーガソン勇退後、ウッドワードは強化の権限を有した。しかし、成功率は絶望的に低い。彼が担当した14回の市場成果はご覧のとおりである。

【2013年夏】マルアヌ・フェライニ
【2014年1月】フアン・マタ
【2014年夏】アンヘル・ディマリア、ルーク・ショー、アンデル・エレーラ、マルコス・ロホ、ダレイ・ブリント、ラダメル・ファルカオ
【2015年1月】―
【2015年夏】アントニー・マルシャル、モルガン・シュネイデルラン、メンフィス・デパイ、マッテオ・ダルミアン、バスティアン・シュバインシュタイガー、セルヒオ・ロメロ
【2016年1月】―
【2016年夏】ポール・ポグバ、ヘンリク・ムヒタリアン、エリック・バイリー、ズラタン・イブラヒモビッチ
【2017年1月】―
【2017年夏】ロメル・ルカク、ネマニャ・マティッチ、ビクトル・リンデロフ
【2018年1月】アレクシス・サンチェス
【2018年夏】フレッジ、ディオゴ・ダロト、リー・グラント
【2019年1月】―
【2019年夏】ハリー・マグワイア、アーロン・ワン・ビサカ、ダニエル・ジェイムズ
【2020年1月】B・フェルナンデス、オディオン・イガロ

 当たり年は昨年の夏だけだ。一見豪華な2017年の夏も、マティッチは最盛期を過ぎており、リンデロフは依然として不安定だ。ルカクは“エージェントP”ことポール・ポグバの進言も手伝ってユナイテッドに加入している。

【次ページ】 大手企業とのスポンサーが続々と。

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