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大阪桐蔭、天理、智弁学園は対応中。
高校野球の指導に迫る変化の波。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/02/03 07:00

大阪桐蔭、天理、智弁学園は対応中。高校野球の指導に迫る変化の波。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

パワハラに指導者がビビる時代に、 球児たちが発揮すべき「聞く力」。

野球指導も変化し続ける必要がある。

 3人の話を聞いてわかるのは、球数制限の導入で一気にマインドが変わるわけではないということだ。

 彼らのように時代に合わせた変化を模索している指導者はまだ一部だ。そしてこれからも多くの障害が出てくるだろう。

 しかし球数制限の導入がこれだけ話題になった以上、指導者にとってはマインドを変化させるいい機会である。

「1週間500球以内の球数制限」という規則自体は、登板過多を防ぐのに十分ではないと個人的には思う。しかし、高校野球の指導についての常識を、少しずつ変えるきっかけになる可能性はあるとも思っている。

 社会で起きていること、子供たちの性質の変化。それに応じて、野球の指導のあり方も変化し続ける必要がある。その変化に対応できるかどうかが、甲子園に出たかどうかや、試合に勝ったかどうかだけではないところに表れてくるだろう。それがひいては、社会的な評価につながっていくはずだ。

 時代に取り残されないように。伝える側の1人として、自戒を込めてそう思う。

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