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勇気とパワーとセンスで奪う。
姫野和樹が得意なジャッカルって?
posted2019/10/19 20:30
![勇気とパワーとセンスで奪う。姫野和樹が得意なジャッカルって?<Number Web> photograph by 7044/AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/a/1500wm/img_aa0e5d513e8a2fea66b12e257e3c4b6b370809.jpg)
姫野和樹の代名詞となりつつある「ジャッカル」。密集でのプレーはセンスも重要だ。
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![多羅正崇](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
7044/AFLO
ラグビーW杯で躍進する日本代表と共に「ジャッカル」が話題を集めている。
4戦全勝したプール戦でNo.8姫野和樹がピンチで連発し、お茶の間やネット上は「姫野のジャッカル!」と歓喜。サモア戦やスコットランド戦後は「ジャッカル」がツイッターのトレンドに入った。
ジャッカルはタックルで倒れた相手から、守備側が手を使ってボールを奪い取るプレーだ。
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一瞬で攻守交代を起こす早業であり、1試合に1回成功させれば仲間から「今日ジャッカルしたな」と褒められるビッグプレーだ。1試合に3回でもすればヒーロー扱いだろう。
なぜ稀少かというと、ジャッカルが難易度の高い特殊プレーだからだ。
ルールはラックが成立するまで。
まずタックルで倒された攻撃側のプレイヤーは、かならずボールを離さなければいけない。ボールが置かれ、両チームの少なくとも1人ずつが立ったまま接触すると「ラック」となる。この時点で、もうジャッカルはできない。ラックでは手を使うことができないからだ。レフリーがよく「ラック・フォーム!」と叫んでいるのは、もうラックが形成されている、もう手は使えない、と伝えるためでもある。
つまり、手を使ってボールを奪うジャッカルは、ラックが成立するまでの短い間しか許されていないのだ。
そのわずかな機会を捉えるためには、立った状態でその場に辿り着いていなければいけない。ジャッカルを何度も成功させる選手は、往々にして運動量が豊富だ。