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「2020」に向けた戦いが、日本で初開催。
注目のトップクライマーたちを一挙紹介。 

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津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph bySytse van Slooten - IFSC

posted2019/07/31 11:00

「2020」に向けた戦いが、日本で初開催。注目のトップクライマーたちを一挙紹介。<Number Web> photograph by Sytse van Slooten - IFSC

昨年オーストリアで行われた世界選手権。今夏は東京・八王子で開催される。

リード決勝は女子から目が離せない。

 次いで8月15日に男女決勝が行われるリードは、女子から目が離せない。昨年大会は自国開催でジェシカ・ピルツ(オーストリア)が栄冠を手にし、W杯リード女王のヤーニャ・ガンブレットは秒差で涙を飲んだ。ガンブレットの本命は五輪出場権の獲得とはいえ、彼女が渇望してやまないタイトルだけに、この種目の金メダルに向けて高いモチベーションで臨むはずだ。

 ライバルには前回優勝のジェシカ・ピルツや、久しぶりに国際大会に出場するアナク・ヴァーホーヴェン(ベルギー)などがいるなかで、最大の障壁になりそうなのが、今年から年齢が出場資格に達した2003年生まれのアジア4選手だ。

新世代の象徴、ソ・チェヒョン。

 昨年11月のアジア・ユース選手権リード種目で優勝したソ・チェヒョン(韓国)、2位の森秋彩、3位の谷井菜月、4位のツァン・ユートン(中国)は、今年からシニア大会にデビューすると、7月から始まったW杯リードで堂々としたパフォーマンスを発揮している。

 ソ・チェヒョンは開幕戦で2位になると、第2戦、第3戦に2連勝。ツァン・ユートンは第2戦で2位。日本勢も開幕戦で森が3位になると、谷井も第3戦で3位となって表彰台に立った。アジアの新世代たちが怖いもの知らずの勢いで、これまでヤーニャ・ガンブレットを頂点にして築かれてきたリード種目のヒエラルキーをひっくり返す可能性はある。

【次ページ】 スピード種目では世界新誕生に期待。

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