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「2020」に向けた戦いが、日本で初開催。
注目のトップクライマーたちを一挙紹介。 

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph bySytse van Slooten - IFSC

posted2019/07/31 11:00

「2020」に向けた戦いが、日本で初開催。注目のトップクライマーたちを一挙紹介。<Number Web> photograph by Sytse van Slooten - IFSC

昨年オーストリアで行われた世界選手権。今夏は東京・八王子で開催される。

スピード種目では世界新誕生に期待。

 休養日を挟んだ8月17日(土)は、スピード種目の予選と決勝が行われる。これまで一度もW杯スピード大会の国内開催はないため、世界トップ選手が勢揃いする貴重な舞台。

 男子は今季のW杯スピードのランキングトップを走るバッサ・マエム(フランス)や、2位のウラジスラフ・デューリン(ロシア)、6位のツォン・キシン(中国)などは、東京五輪を目指して3種目すべてにエントリーしているものの、彼らの凄さがもっとも発揮されるのが本職なのは間違いない。

 さらに、5秒48の世界記録保持者で前回大会金メダリストのレザ・アリプアシェナ(イラン)や、5秒60の前世界記録保持者のダニル・ボルディレフ(ウクライナ)は、この種目のみに出場する。2017年4月を最後に更新が止まっている男子の世界新記録誕生を期待したい。

 女子は今年4月に7秒10の世界記録を更新し、今季世界ランク1位のソン・インリン(中国)、7秒32の前世界記録保持者で同2位のアナーク・ジョベール(フランス)、同3位のエリザヴェータ・イヴァノワ(ロシア)といった強豪が出場する。彼女たちが専門外のボルダリングやリードでどういったパフォーマンスをするのか興味深いものの、やはり専門種目で世界記録に迫る戦いを見たいものだ。

 そして、いよいよ世界選手権はクライマックスに突入する。8月18日に女子コンバインド予選、8月19日に男子コンバインド予選が行われ、各カテゴリーとも中1日で決勝戦を迎える。選手たちは1日のうちにスピード、ボルダリング、リードの順で3種目に挑み、勝ち上がれば決勝で再び3種目を戦う。大会初日から蓄積される疲労を乗り越え、東京五輪の出場権を手にするのは誰か。来夏のメダルの行方を占ううえでも重要な一戦を見逃さないでもらいたい。

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