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「2020」に向けた戦いが、日本で初開催。
注目のトップクライマーたちを一挙紹介。
posted2019/07/31 11:00
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph by
Sytse van Slooten - IFSC
いよいよ東京五輪の出場権をかけた戦いの火蓋が切って落とされる。
『スポーツクライミング世界選手権』が、8月11日から東京・八王子で開催される。ボルダリング、リード、スピードの各種目と、東京五輪の実施種目である3種目複合のコンバインド種目でメダルが争われるなか、もっとも注目を集めるのがコンバインドになるのは間違いないだろう。
東京五輪は男女それぞれ20選手(男女とも1カ国最大2名)で競われるが、この世界選手権では五輪出場の権利を手にする最初の7名が決まるからだ。さらに、日本山岳・スポーツクライミング協会は、この世界選手権で7位以内になった日本選手のなかで、男女とも最上位選手を東京五輪日本代表に内定することを発表している。
この戦いに挑む日本代表は、女子が野中生萌、野口啓代、森秋彩、谷井菜月、倉菜々子、伊藤ふたば。男子が楢﨑智亜、藤井快、原田海、楢﨑明智、土肥圭太。果たして、8月20日の女子コンバインド決勝、8月21日の男子コンバインド決勝で笑顔を咲かせるのは誰になるのか―――。
国内初の世界選手権、注目点は多い。
しかし、である。
関心が日本選手のコンバインドの成績に向かうのは仕方がないとはいえ、せっかくの国内初開催の世界選手権である。大会期間の最終盤に行われるコンバインドにだけ注目しては、なんと勿体ないことか。ワールドクラスが軒並み顔を揃える前半戦の各種目のメダル争いも見逃さないでもらいたい。
最初のメダリストが決まるのは大会3日目。8月13日は男女ボルダリングの準決勝・決勝が行われる。女子は今季W杯ボルダリングで6戦全勝のヤーニャ・ガンブレット(スロベニア)が、世界選手権ボルダリングで2連覇するかが最大の焦点になる。