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日本で蒔かれた未来への種。
ジュニアゴルファーたちの祭典。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2019/07/10 07:00
米国代表のミケイラ・モラード。今大会は16カ国87選手が参加した。
他国の選手の輪に飛び込む高校生も。
2年連続出場だった男子の久常涼(作陽高)は「ジュニアのためのこんな大きな規模の試合は日本でこの大会しかない」と貴重な機会に感謝しつつ、各国の選手と積極的にコミュニケーションを図った。
臆することなく他国の選手の輪に飛び込み、移動のバスで積極的に話しかけたり、宿舎のレクリエーションとして用意された卓球台では「海外の選手も引くぐらいのテンションで頑張ってます」と盛り上げ役を務めていたという。
「ゴルフの面では苦しいプレーで去年の方がよかった。でも今年はいろんな国の選手と交流して友達ができた。ゴルフもダメで交流もできなかったら最悪だけど、交流の方は去年以上にできたからよかった」
国際交流に勤しんだのはウガンダの選手ばかりではなかったようである。
大会側も同世代の選手が世界中から集まるこの機会を生かしてほしいと考えている。長年運営に携わってきた田頭英治サブチェアマンの言葉から分かるのは、この大会は未来に向けて蒔かれた種であるということだ。
「ここに出ている選手はみんなが将来のプロの予備軍でもある。同じフィールドで戦って一緒に遊んだ選手が将来メジャーや世界のトップで活躍していたら、自分にもできるんじゃないかと思えるでしょう。その気持ちを日本だけでなく、どの国の選手にも感じてもらいたい」
キャリアプランの「最後の目標は米ツアー」。
選手たちがそれぞれの胸に抱く未来予想図。優勝した南ア男子チームのメンバーは今後のキャリアプランをこう語っていた。
「最後の目標は米ツアー。欧州やアジアからも米ツアーにたどり着く道はいろいろあると思うが、自分は高校を卒業したら米国の大学ゴルフで成長していきたいと思っている」
そういえば、ウガンダの選手も「プロになりたい。いつかはウガンダで初めて米ツアーでプレーする選手になりたい」と言っていた。
それぞれの夢や目標を抱いて世界中から日本に集ったジュニアゴルファーたちは、4日間の戦いを終えて再び各自の目指すものに向かって歩き出した。いつかまた世界のどこかのゴルフ場で、その軌跡が交差する日がきっと訪れる。