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ウッズやケプカもグリーンに警戒心。
今年の全米OPは名門ペブルビーチ。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byGetty Images

posted2019/06/12 17:30

ウッズやケプカもグリーンに警戒心。今年の全米OPは名門ペブルビーチ。<Number Web> photograph by Getty Images

5月の全米プロでは2日間、同組でプレーしたタイガー・ウッズ(左)とブルックス・ケプカ。

宣伝広告に昨年王者がいない?

 全米オープン3連覇はスコットランドのウィリー・アンダーソン(1903年、1904年、1905年)が達成して以来、アーノルド・パーマーもジャック・ニクラスも、あのウッズですら達成できていない難業である。

 そこにリーチをかけているケプカは、今、さぞかし重圧を感じているだろうと想像したくなる。

 だが、ビッグな大会、メジャー大会の難しさと緊張感をこよなく愛するケプカは「さあ、メジャーだ」「準備万端だ」と目を輝かせている。

 ケプカの戦意を一層燃え上がらせる出来事も、実はあった。

 米国内で全米オープンをテレビ中継するFOXスポーツが事前に制作した宣伝広告の一部に、ケプカの姿が含まれていなかったため、米メディアや関係者の間では、ちょっとした騒動になった。

 3連覇がかかるケプカは、言わずと知れたディフェンディング・チャンピオンの立場にある。そして世界ナンバー1の王者でもある。そのケプカを無視した格好になった宣伝広告を目にしたケプカは「かなりショックだった」と明かした。それが、逆にケプカの戦意をメラメラと燃やしている。

知り尽くすウッズ、偉業に挑むケプカ。

 しかし、何であれ、ペブルビーチを誰よりも上手く攻略せずして、勝利も3連覇も起こり得ない。もちろん、ケプカはコース攻略に対しても自信満々の様子だ。

「ラフは深いからフェアウエイキープが第一。ペブルビーチは全体的に短いから、ドライバーはほとんど使わず、僕はおそらく4日間で4回しか使わない。グリーンはとても小さいから、毎ホール、センター狙いだ。グリーンセンターに乗せれば、ピン位置がどこだとしても、せいぜい6メートルしかない。あとは、パットの戦いになる」

 ペブルビーチを知り尽くし、メジャー16勝目に挑むウッズ。ペブルビーチで大会3連覇に挑むケプカ。どちらも開幕前に見据えた戦いのカギは「グリーン」だ。

 グリーンを制するものが、ペブルビーチを制し、全米オープンを制することになるのかどうか。記録や偉業は達成されるのかどうか。

 戦いの幕は、間もなく上がる――。

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タイガー・ウッズ
ブルックス・ケプカ

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