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批判の声が噴出する全米オープン。
松山英樹は難コースでも気にしない?
posted2019/06/13 10:30
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Yoichi Katsuragawa
およそ優勝争いの渦中での会話ではなかったかもしれない。ライバルは、その返答にただ驚いていたそうだ。
6月初旬のPGAツアー、ザ・メモリアルトーナメント最終日。最終組のひとつ前で逆転を狙った松山英樹は、同じ組でマッチアップしたパトリック・カントレーと談笑を交わしていた。
話題は2週後のメジャー、全米オープンのこと。
今年の会場はカリフォルニア州のペブルビーチゴルフリンクス。サンフランシスコから車で南に約2時間、ロサンゼルスからは北に約6時間といったところの海岸線、モントレー半島にある超有名コースである。
当地では毎年2月にAT&Tペブルビーチナショナルプロアマというツアーの1試合が行われている。風光明媚で知られ、世界中のゴルファーが憧れるゴルフ場だからこそ、カントレーはキャディと一緒に、すでにPGAツアーで6年目を迎えた27歳の言葉にビックリしたのだった。
「いままでプレーしたことがない。来週、初めて行くんだよ」
松山にとっては今回のメジャーがペブルビーチ初訪問の機会なのだ。
7年連続7回目の全米オープン。
「行ってみたいなとは思っていたんですけどね。今までは縁がなかったでしょう。日程的なもの(噛み合わせ)もあった」
ペブルビーチに入り、メジャーに向けた練習を開始したのが大会前週の土曜日。太陽の恵みを浴びながら精力的に汗を流してきた。
松山にとって、初出場の2013年から数えて今年が7年連続7回目の全米オープン。'17年大会で2位に入ったのが、そのまま大会の日本人史上最高位となった。すでに27回出場(25試合連続/日本人記録を継続中)したメジャーで唯一トップ3に入った試合でもある。
その全米オープンは近年、主催する全米ゴルフ協会(USGA)に向けられる選手たちからの視線が厳しい。とくにトッププレーヤーからのコースセッティングへの批判が毎年噴出している。