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森保Jの攻撃には大迫勇也が不可欠。
連動性が高まらぬ攻撃を1人で改善。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/01/25 11:25

森保Jの攻撃には大迫勇也が不可欠。連動性が高まらぬ攻撃を1人で改善。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

VARで堂安が得たPKを自ら決めて辛勝した日本。中3日の強敵イラン戦で真価が試される。

攻撃が停滞した複合的な要因。

 攻撃に勢いが生まれなかった要因は複合的である。

 ビルドアップのタテパスを引っ掛けられることで、リズムが生まれなかった。ワンタッチを使える距離感がなかなか成立せず、足元へのパスが多くなることでテンポが上がらない。

 その結果として、局面の攻防に激しく挑んでくるベトナムのチェックをなかなか剥がせない。フィジカルコンディションが万全でないとしても──そもそも疲労度については、ベトナムと極端には変わらないはずである──自分たちで試合を難しくしていたところもあったのだ。

 準々決勝から採用されているVARことビデオ・アシスタント・レフェリーも、試合展開に影響を及ぼした。24分、柴崎岳の左CKから吉田麻也がゴールネットを揺らすが、ハンドの判定で取り消しになる。

 29分には右ショートコーナーから決定機を作り出す。柴崎のクロスを冨安がヘディングで合わせたが、相手GKの好守に阻まれた。

ピンチはチーム全体の責任。

 逆に37分、ベトナムに冷たい汗をかかされる。GK権田修一が自陣ゴール前で吉田へパスをつなぐが、相手FWのチェックを避けようとしたトラップが大きくなり、吉田はボールを失ってしまう。至近距離からのシュートを権田が懸命にブロックし、どうにか失点は免れた。

 客観的に見れば権田の判断ミスになる。だが、攻撃のリズムがいまひとつ良くないだけに、シンプルに蹴り出すのではなく確実にボールをつなぎたい、との判断を権田は働かせていた。つまりはチーム全体の戦いぶりが招いたミスである。

 前半終了間際にはビッグチャンスを迎える。柴崎のパスを受けた堂安がペナルティエリア右へスルーパスを通すと、DFラインの背後をとった南野拓実が右足を振り抜く。ゴール右上を狙った一撃は、相手GKに左手1本でセーブされた。

 両チーム無得点のまま突入した後半、52分にペナルティエリア正面外から遠藤航が右足のコントロールショットを放つ。この一撃は相手GKに防がれたが、直後に堂安がペナルティエリア内で相手DFに足を踏まれて倒される。

 主審はファウルではないとみなしてプレーが続行されたが、VARによって判定が修正される。日本にPKが与えられたのだ。自身の大会2点目となるPKを堂安が蹴り込み、日本はようやくリードを奪った。

【次ページ】 大迫の復帰がこの日最大の収穫。

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