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森保Jの攻撃には大迫勇也が不可欠。
連動性が高まらぬ攻撃を1人で改善。

posted2019/01/25 11:25

 
森保Jの攻撃には大迫勇也が不可欠。連動性が高まらぬ攻撃を1人で改善。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

VARで堂安が得たPKを自ら決めて辛勝した日本。中3日の強敵イラン戦で真価が試される。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Takuya Sugiyama

 UAEのモハメド・アブドゥラ・ハサン主審が、この試合で最後となるホイッスルを吹く。堂安律は両手を膝につき、冨安健洋は小さくガッツポーズをした。酒井宏樹は控え目に拍手をしている。

 ピッチに散らばっていた選手たちが、センターサークル付近に集まってきた。ハイタッチと呼ぶにはかなり遠慮がちに手を合わせていく。彼らの心を占めていたのは、歓喜ではなく安堵だったのだろう。

 アジアカップは1月24日に準々決勝の2カードが行われ、日本はベトナムを1-0で退けた。2大会ぶりのベスト4に、いち早く名乗りをあげた。

しぶとく勝ち切ったとも言えるが。

 1月9日のグループステージ第1戦から16日間で、大会5試合目である。グループリーグ第3戦のウズベキスタン戦でターンオーバーを採用したが、主力と見なされる選手の大半は通算4試合目だった。

 ベトナムが中3日のスケジュールだったのに対し、日本はサウジアラビア戦から中2日の試合間隔だった。フィジカルコンディションを考えれば、難しい試合になるのも想定内である。しぶとく勝ち切った、と言うこともできなくはない。

 立場の違いもある。決勝トーナメント1回戦をPK戦で勝ち抜いてきたベトナムは、この試合で負けても失うものがない。W杯に6大会連続で出場している日本に、挑戦者のメンタリティで挑める。ロシアW杯でベルギーに対峙した日本と似ていた。

 自分たちの強みを序盤からぶつけてきたベトナムに対して、日本が受け身になったわけではない。ボールを保持しながら攻撃のきっかけを探っていく。パスの矢印はタテ方向へ向いているものの、チャンスは散発でしかなかった。

【次ページ】 攻撃が停滞した複合的な要因。

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