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福西崇史が称える森保JのVAR対応と、
強敵イランの要注意人物はアズムン。

posted2019/01/25 17:30

 
福西崇史が称える森保JのVAR対応と、強敵イランの要注意人物はアズムン。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

VARによる堂安律のゴールのみの1-0だったが、酒井宏樹らの対応は非常に冷静だった。

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福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

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Takuya Sugiyama

 ベトナム戦は1-0と、またも1点差勝利となりました。それでもピッチに立った選手たちは今大会の中で初めて経験したことにも、しっかりと対応して戦えたと思います。象徴的なのがVARでしょう。

 試合全体を振り返ると、序盤はベトナムの組織だった守備に攻めあぐねて、日本としてはなかなかスペースを見つけ出せませんでした。また選手それぞれのプレーを見ていても、トラップやパスなどでの細かなズレが何度か起きていた。

 それもあって“しっかりとボールを止めてからパスしよう”というプレーが増え、リズムが上がりきらず、スムーズに攻撃へと移り切れなかった印象です。一方、5-4-1システムを敷いたベトナムは、しっかり走るチームでした。

 日本の最終ラインにプレッシャーをかけ続けてきたし、前半38分には吉田と権田とのパス交換を奪われて危ない場面もありました。ただその後はリスクを負わずにボールを蹴り出すなど、ピッチ内で対応できていたかなと感じます。

VAR判定に動じなかった。

 そんな中でベトナム戦の勝敗を分けたのは、準々決勝から運用されたVARでした。セットプレーからのヘディングシュートで先制、という流れになればサウジアラビア戦と同じでしたが、吉田のヘディングシュートが手に当たっていて、VARでゴールが取り消されました。

 それでもビデオで見てハンドだと判断されたなら、もう一度「0-0」の状況で試合を進めよう、というメンタルの立て直しができていました。

 一方で堂安がペナルティーエリア内で足を引っかけられたシーンも試合が少し進んでから、VARが適用されてPKを獲得しました。堂安のPKで先制してからは、ボールを動かしつつ追加点を狙える時は狙うという戦い方にシフトしましたよね。その辺りは割り切ってプレーしたのではないでしょうか。

【次ページ】 守り方にも見えた意識とは。

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堂安律
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