第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
駒澤大学が見据えるのは「3位以内」。
凸凹駅伝からの脱却を狙う順天堂大学。
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箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga
posted2018/12/04 11:00
順天堂大学
<予選会2位> <前回大会11位> 8年連続、60回目
ブレーキ区間をどう無くすか。
2枚の切り札の使い方が重要。
文=小堀隆司
全日本大学駅伝で順天堂大学は総合13位と奮わず。直後に見かけた長門俊介監督の表情は、さすがに冴えなかった。
「今日の駅伝はデコボコどころじゃない。ずっとこう(低空飛行)ですから。さすがだったのは、区間賞の塩尻だけです」
順天堂大学が今季のテーマとして掲げているのが凸凹駅伝からの脱却だ。前回の箱根駅伝でシード権を逃したのも、原因をたどれば2つのブレーキ区間を作ったことにある。
シード権獲得まではわずかに14秒。届かなかった悔しさが、現チームの発憤材料になっている。
「よく一人何秒って言い方をしますけど、あれはみんなが作った14秒だったと思うんです。誰がダメとかではなくて、14秒だったら一人ひとりが誰でも返せた。そういう思いをみんなが感じてほしいと、春先から言い続けてきました」
好不調の波をなくす努力。
しかし、ちぐはぐなレースは新年度になってからも続いた。全日本の選考会を7位で通過したものの、選手によって好不調の波は明らか。出雲駅伝は箱根駅伝の成績により出場すら叶わなかった。
夏合宿などを通じて、監督は地道に選手たちにこう言い続けてきたという。
「よく口にするのが、最低限の走りができる選手になろうと。たとえ崩れても、こちらが想定しているタイム内なら良い。でも、今の学生は崩れるときは思い切り崩れてしまう。そういう良いとき悪いときの波をなんとかして減らさないといけません」
手応えが得られたのは、10月の予選会だった。個人2位でフィニッシュしたエースの塩尻和也を筆頭に、105位までに10人の選手が入り、駒澤大に次ぐ総合2位で本大会出場の切符を手に入れた。