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駒澤大学が見据えるのは「3位以内」。
凸凹駅伝からの脱却を狙う順天堂大学。 

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箱根駅伝2019取材チーム

箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019

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photograph byYuki Suenaga

posted2018/12/04 11:00

駒澤大学が見据えるのは「3位以内」。凸凹駅伝からの脱却を狙う順天堂大学。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

練習面で加えたアレンジとは。

「どうしても1年目は様子見というか、選手も新しい環境に慣れていないところがあったんです。でも、この寮にはトレーニングルームもあるし、疲労を抜くための酸素カプセルもある。以前は狭くて選手全員が入寮できなかったですけど、それも解消されました。サウナルームはまあ、私とマネージャーが利用することが多いですけど(笑)」

 監督や選手の表情が明るいのは、日々の生活がしっかり充実しているからだろう。

 さらに練習面では、こんなアレンジを加えたと話す。

「うちはけっこう走り込むんですけど、今の子たちは体力的な面で弱い。だからあまり負荷をかけすぎても能率が上がってこないことがあって。それで以前とは量とか質も少しずつ変えたところがあります。夏合宿は朝昼晩の3部練が当たり前でしたが、今季はそれを2部練に落としてみたり、個々のコンディションにより細かく対応してきてます」

”平成の駅伝王者”の意地を。

 春先に調子の上がってこなかったチーム状況を鑑みて、7月には主将を入れ替えるという荒療治にも出た。チーム全員が同じ寮で生活することで以前よりも結束力が増しているという。「2.5冠」という今季の目標が生まれたのは、そんな環境下でのことだった。

「あれは選手が言い出したんです。4年生がミーティングをして、こんなのを考えましたって。学生にもつねにトップグループで戦いたいという気持ちがあるんでしょう」

 出場が叶わなかった出雲駅伝の代わりに、0.5換算とした予選会はきっちり勝った。全日本で4位になったことで目標達成は叶わなかったが、箱根駅伝も当然勝ちに行く。

 監督に箱根駅伝での目標順位を訊ねると、こんな答えが返ってきた。

「やっぱり3番以内ですよ。駒澤大学はつねに優勝争いをしないと。それはつねに言い続けてきていることですから」

 トップという言葉こそ出てこなかったものの、その口調からは秘めたる自信が感じられた。

 平成では最多6度の優勝を誇る“平成の駅伝王者”が、平成最後の箱根駅伝でどんな足跡を刻むのか。王者は虎視眈々と、返り咲きを狙っている。

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