第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
駒澤大学が見据えるのは「3位以内」。
凸凹駅伝からの脱却を狙う順天堂大学。
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga
posted2018/12/04 11:00
エース塩尻、5区で頼れる山田。
箱根駅伝の前哨戦とも言える11月の全日本こそ結果は出なかったものの、この結果はある程度織り込み済み。試合前に監督はこう語っていた。
「正直、箱根へのステップにしたいんですけど、先を見据えて下級生をエントリーしたい。4年生には申し訳ないけど、今後のことを考えさせてくれと。エースの塩尻と山田攻が抜けた後のことも、やっぱり視野に入れておかないといけないですから」
名前の挙がった2人の4年生が順天堂大学の切り札だ。
塩尻は言わずと知れた学生長距離界のエースで、どの区間を走っても区間賞に近い走りをしてくれるだろうという信頼感がある。
さらに、箱根駅伝では山田の存在が大きい。これまで2年と3年時に5区を走り、区間5位、区間4位と抜群の安定感を誇る。タイム差の出やすい山上りで強い経験者がいるのは頼もしいかぎりだろう。
真っ向勝負になると思います。
今季の塩尻について、監督はこう言って成長を認める。
「塩尻の持ち味はやっぱり最初からどんどん行くところ。行けるところまで行って、後半はつぶれてもガマン。これまではそうでした。でも今季はちゃんと後半まで余力を残して最後を上げられるようになってきた。だからほとんどのレースを外してないですよね」
流れを決められる大エースがいて、特殊区間の5区・6区にも経験者がいる。となれば、やはり課題はそこにどうたすきをつなぐかだ。
滑り出しの1区に適任者が見つかり、復路の6区までにリードを奪えば、シード権の獲得はおろか、2大会前の4位以上の好成績を収めるのも不可能ではない。
箱根駅伝に向けての抱負を聞くと、監督は衒いなくこう言い切った。
「うちは真っ向勝負になると思います。前回は1区をどうしようとか、誰にどこを走らせるのか、自分自身にも迷いがあった。今季は本人たちとも話をして、一番力を発揮できる区間に駆け引きなしで選手を送り出したい。駅伝が上手くいくときってパズルのように選手がはまっていくんです」
残りの期間でどれだけの絵が描けるか。最後のピースを埋める努力が、直前まで続きそうだ。