サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「堂安と冨安は刺激だし、悔しい」
五輪世代に次なる森保J候補が3人。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byJFA/AFLO
posted2018/11/25 11:30
今年9月、A代表に招集された伊藤達哉(左)。冨安健洋ら同世代との出世争いは激しさを増す。
多くの選手がA代表を意識。
この言葉は選手たちの胸に響いた。多くの選手たちから“A代表”という言葉が聞かれるようになり、すでにA代表で活躍している同世代の堂安律や冨安健洋に対するライバル心も高まっている。
そして、ここをステップにさらに上へと登って行こうという意欲が掻き立てられているのを感じた。
今大会では世代のエースと呼ばれ続けた小川航基(磐田)が復活をアピールする3ゴールを奪えば、コンスタントに出場機会を増やす法政大の上田綺世が4ゴールで大会MVPと得点王を獲得。Jリーグで活躍する立田悠悟(清水)や板倉滉(仙台)が安定感あるプレーを披露すると、U-19組では久保建英(横浜FM)がアシストで自身の価値を証明した。
ゲーム運びという点では課題が残ったが、多くの選手が高いモチベーションでプレーしたことで、個々で結果を残すことに成功したのである。
シャドーで光った伊藤達哉。
そして、ピッチ上で違いを見せ、A代表への可能性を示した選手もいる。
例えば、すでにA代表経験のある伊藤達哉(ハンブルガーSV)がそうだ。今遠征では「3-4-2-1」システムのシャドーのポジションに入ると、途中出場も含めて3試合すべてに出場した。
「周りとの絡み方など、もっと回数を重ねないといけないと思うけど、彼個人の良さは十分発揮してくれた」と横内監督代行が評価したように、伊藤の特徴であるボールを受けた後の前への推進力は目を見張るものがあった。
もちろん「やっぱりサイドに比べて敵が多いイメージはある。もう少しアイディアや相手の勢いを削ぐプレーをすることが大事」という言葉にも集約されている通り、狭いエリアの中でいかに自分を生かすかは1つの課題だ。
ただ、本来のポジションとは違う立ち位置になっても試合をこなすごとに改善する修正力も高く、自身の特徴であるドリブルは相手がファウルでしか止めることができないほどの鋭さを披露した。