酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラフト順位は意外と学歴社会?
大阪桐蔭は高校で1番多いが……。
posted2018/10/31 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Yuki Suenaga
読者各位にとって、今年のドラフトはいかがだっただろうか? 球団から指名の連絡はあっただろうか? 私は昨年のドラフトでは、重力に逆らわないへろへろフォークで、下位指名を狙ったが果たせなかった。今年も期待したが、電話は鳴らなかった。
ただ、知り合いのスポーツ紙記者から「指名されたら独占会見を」というメールをもらった。期待に応えられず申し訳ない。
さて、今年は大阪桐蔭高のプロ志望届を出した4人の選手が揃ってドラフト指名された。これは2001年の日大三高に並ぶ最多タイだ。野球強豪校の「ブランド化」が進んでいるように思う。
そこで、2014年~2018年の5年間に指名された552人について、高校、大学、実業団、独立リーグの指名数について調べてみた。
人数だけを調べるのではなく、指名順位も加味したいのでポイントを独自に考案した。1位2ポイント、2位~4位1.5ポイント、5位以下1ポイント、育成での指名は0.5だ。ポイントを指名選手数で割り、平均ポイントを出し、指名順位の高さもわかるようにした。
広陵卒は上位指名が多い。
<指名数上位の高校(選手数552人)>
※指名数は553人だが、2015年、2016年と松澤裕介が2回いずれも巨人から育成で指名されている。これは1人分とカウント。大学以降で指名された選手も含む。4位以上の指名選手まで掲載。
1位 11人 大阪桐蔭高 13Pt(平均1.18Pt)
2018年 根尾昂(中日1位)、藤原恭大(ロッテ1位)、横川凱(巨人4位)
2位 8人 横浜高 12Pt(平均1.50Pt)
2014年 淺間大基(日本ハム3位)
2016年 柳裕也(中日1位、明治大)、藤平尚真(楽天1位)
2017年 増田珠(ソフトバンク3位)
2018年 万波中正(日本ハム4位)
2位 8人 東海大相模高 9.5Pt(平均1.19Pt)
2014年 友永翔太(中日3位、国際武道大-日本通運)
2015年 小笠原慎之介(中日1位)
2017年 大城卓三(巨人3位、東海大-NTT西日本)、菅野剛士(ロッテ4位、明治大-日立製作所)
4位タイ 7人 広陵高 11.5Pt(平均1.64Pt)
2014年 有原航平(日本ハム1位、早稲田大)
2015年 上原健太(日本ハム1位、明治大)、吉持亮汰(楽天2位、大阪商業大)
2017年 中村奨成(広島1位)、福田周平(オリックス3位、明治大-NTT東日本)
2018年 太田光(楽天2位、大阪商業大)
4位タイ 7人 日大三高 10.5Pt(平均1.50Pt)
2014年 オリックス1位 山崎福也(明治大)
2015年 高山俊(阪神1位、明治大)、関谷亮太(ロッテ2位、明大-JR東日本)
2016年 坂倉将吾(広島4位)
2018年 伊藤裕季也(DeNA2位、立正大学)
4位タイ 7人 花咲徳栄高 10Pt(平均1.43Pt)
2015年 大瀧愛斗(西武4位)
2016年 高橋昂也(広島2位)、岡崎大輔(オリックス3位)
2017年 西川愛也(西武2位)
2018年 野村佑希(日本ハム2位)
4位タイ 7人 仙台育英高 9.5Pt(平均1.36Pt)
2015年 平沢大河(ロッテ1位)
2017年 馬場皐輔(阪神1位、仙台大)、熊谷敬宥(阪神3位、立教大)
2018年 梅津晃大(中日2位、東洋大)
8位タイ 6人
履正社高9Pt(平均1.50Pt)、桐蔭学園高7.5Pt(平均1.25Pt)、敦賀気比高7.5Pt(平均1.25Pt)、青森山田高7Pt(平均1.17Pt)
予想通り大阪桐蔭高が11人で最多だ。しかし、平均ポイントは1.18と低い。今年こそ1位指名を2人出したが、意外なことに下位指名が多く、育成枠での指名もあった。
2位の8人は横浜高、東海大相模高の神奈川勢。横浜高は2016年に中日・柳裕也(明治大経由)、楽天・藤平尚真と1位指名を2人出している。
上位指名が多いのは広陵高だ。ここ5年間で2位以上の選手を輩出している。ただ広陵高は大学、社会人を経由する選手が多いので、あまり話題にはなっていない。
大阪桐蔭高といえども、毎年トップクラスの選手ばかり輩出することは難しい。しかしドラフトでかかるようなレベルの高い選手を毎年途切れずに送り出すことができるのが凄いということになろう。