酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラフト順位は意外と学歴社会?
大阪桐蔭は高校で1番多いが……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byYuki Suenaga
posted2018/10/31 07:00
2018年のドラフト会議1位指名の12人。選手名やポジションともに紹介されるのは、所属先だ。
独立リーグで4位以上はレア。
<指名数上位の独立リーグ(選手数42人)>
1位 9人 四国IL徳島7Pt(平均0.78Pt)
2017年 伊藤翔(西武3位、横芝敬愛高)
2位 7人 BCL石川5Pt(平均0.71Pt)
3位 6人 四国IL香川4.5Pt(平均0.75Pt)
2014年 寺田哲也(ヤクルト4位、作新学院高-作新学院大-BCL新潟)
4位 5人 BCL武蔵2.5Pt(平均0.50Pt)
5位 4人 BCL富山2.5Pt(平均0.63Pt)
6位 3人 BCL新潟2Pt(平均0.67Pt)
7位タイ 2人 BCL福井1Pt(平均0.50Pt)、関西独立L兵庫1Pt(平均0.50Pt)
9位タイ 1人 BCL滋賀1Pt、BFL兵庫1Pt、BCL信濃0.5Pt、BCL栃木0.5Pt
※関西独立Lは廃止
独立リーグのチームの平均ポイントはすべて1を割り込んでいる。育成での指名選手が大部分なのだ。ここ5年で4位以上で指名されたのは2人しかいない。
それ以前では中日の又吉克樹が四国IL香川から2013年にドラフト2位で指名されて入団したのが最高位だ。
首位打者2回のロッテ・角中勝也(四国IL高知、2006年大学生・社会人ドラフト7巡目)、中日・亀澤恭平(四国IL香川、2011年育成2位)、前述の又吉克樹のように、NPBで活躍する独立リーグ出身選手もいる。しかし多くは、活躍しないままに消えている。育成枠で入ることが多く、支配下登録されることもなく戦力外になることが多いのだ。
プロ野球も厳しい学歴社会?
あるNPBのコーチは「同じ実力なら、高卒、大卒を引き上げる。独立リーグは年を食っているから」と言っていた。これは年齢がネックになっているのだ。BCLは、今年から選手の定年を26歳にしたが、これは若い選手を少しでも早くNPBに上げようという考えからだ。
独立リーグは、NPBからの監督、コーチ、選手の派遣を受けている。NPBとの関係は強まっている。また社会人野球が衰える中、地方の野球普及の担い手にもなっている。頑張ってほしいと思う。
こうしてみていくと、プロ野球は厳しい学歴社会であることがわかる。有力高、名門大、大手企業に進んだ選手がプロでも成功する可能性が高い。各段階でふるいにかけられて有望な選手だけが残っていくからだ。なかなか世知辛い話ではある。
私としてはドラフト下位の非エリート選手をこれからも応援したいと思った次第。