“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
日本サッカーの未来かかるU-19代表。
W杯出場をかけたアジア決戦の場へ!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/10/15 18:15
高校とプロのちょうど境目の選手たちが集まるU-19日本代表チーム。各選手の環境の違いを乗り越え結束し、ひとつのチームとして完成できるかどうか……。
まずはチームの感覚を思い出させる。
「全員が90分間のゲームをしっかり戦えるベースを作る。流通経済大との練習試合でも出場時間をあわせるために、それぞれの出場時間を決めて戦いました。
それプラス、メンバーがめまぐるしく変わる中で、最終予選で想定されることにどんどんトライして欲しいと伝えました。組み合わせが変わっても、しっかりとコミュニケーションを取ってやるべきことをやる。
1年半、守備や攻撃の約束事をやってきましたが、ぶつ切りになるので、今回はまずそれを思い出させる。
所属チームと違って、我々のチームは何をするのか思い出させつつ、コンディションを整えることがやりたかったことです。アジアは総力戦ですから」(影山監督)
所属チームとの役割のズレをどうする?
国内合宿最終日には流通経済大との30分×4本のトレーニングマッチが行われた。
所属チームでレギュラー格の安部と齊藤未月(湘南ベルマーレ)は疲労回復のために参加しなかったが、全員がプレーし、それぞれの組み合わせにトライをした。
1本目は瀬古と橋岡の実戦経験が豊富なCBコンビと、伊藤洋輝(ジュビロ磐田)と山田康太(横浜Fマリノス)のダブルボランチ。そして前線は田川亨介(サガン鳥栖)と久保という、前回のU-20W杯出場コンビが2トップに組まれた。
だが、攻守において連係面は良かったとはいえなかった。それはコンディションだけの問題ではなく、影山監督が懸念したように、所属チームとやるポジション、やるべきことが異なることによる“ノッキング”でもあった。
「僕は普段、ベルマーレで【3-4-2-1】の4枚のサイドをやっているので、4バックのサイドバックだといつもより1枚後ろで、自分が起点となりながらゲームを作っていかないといけない……。
いつもはワンタッチで前に行けるのですが、4枚だと自分のところからというのがベースになるので、ボールを受けてから考えているのではなくて、常に先にアイデアを持っておくことが大事だと感じた」
右サイドバックに入った石原広教(湘南ベルマーレ)は、いつもと違う景色と役割に戸惑いを見せていた。
CBに入った橋岡も、浦和では【3-4-2-1】の右ウィングバックをやっており、久しぶりのCBに少し戸惑いの色が見えた。