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川又堅碁の「やってやる感」の源。
俺は俺で終わらせない、学ぶ男。

posted2018/10/15 12:00

 
川又堅碁の「やってやる感」の源。俺は俺で終わらせない、学ぶ男。<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu

ストライカー然とした風貌だが、川又堅碁は野生一辺倒の選手ではない。学ぶ意識が彼を一流たらしめている。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Tsutomu Takasu

「オウンゴールゥーッ」

「分かっとるって!」

 3-0で勝利したパナマ戦後の取材エリア。槙野智章が川又堅碁を通り越すところでニタッと笑ってささやくと、丸刈り頭のストライカーは苦笑いで返す。

 3点目はゴール前の混戦から「相手の足を蹴ってしまって」押し込んだ川又のゴールとアナウンスされていたが、公式記録は相手のオウンゴールに訂正されていた。

 新潟は、アルビレックス時代にプレーした思い出の地。ひとしきり残念がったものの、ポジティブな人はすぐに前を向く。

「点に絡めたことは事実やしね。俺はうまい選手じゃないけど、もっと絡めるようにやるだけ。でもおもろいよ、おもろい」

 おもろい。

 この言葉にはいろんな意味が含まれている。

 3年半ぶりの代表戦ゴールが消えた今回のトピックも、10カ月ぶりの代表活動も、そしてもうひとつ――。

末席からの“下剋上”。

 川又は今回、ケガを抱える浅野拓磨の代表辞退によって追加招集された。

「追加」は毎度のこと。

 代表初招集となった2015年3月のチュニジア戦、ウズベキスタン戦もそうだった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の初陣として注目を集めたこの2連戦。小林悠のケガによって、バックアップメンバーから繰り上がったのだ。チュニジア戦は先発し、続くウズベキスタン戦は途中出場で代表初ゴールを挙げた。

 昨年末の東アジアE-1選手権も追加で招集されてノーゴールに終わったものの、2試合連続でゴールに絡んで存在感を示した。常に代表入りを目指してきた。追加で呼ばれようとも、末席からの下剋上は、むしろ彼にとって“望むところ”。今回も気合いにネジを巻いてきたことは伝わってくる。

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