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開催国枠で五輪初出場の水球女子。
注目度アップへ千載一遇のチャンス! 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2018/05/20 11:00

開催国枠で五輪初出場の水球女子。注目度アップへ千載一遇のチャンス!<Number Web> photograph by AFLO

日本でなかなか目にする機会はない水球だが、運動量とダイナミズムは球技でも随一のものだ。

五輪での成績=注目度、という図式。

 それからは2020年を目指して強化に励んできたが、今回、自動的に五輪出場が決まったわけである。与えられた出場とはいえ、これが好機であるのは間違いない。

 これまで、国内の試合や大学のプールでの練習を観る機会があったが、生で観戦するとその迫力に圧倒される。戦術や駆け引きなども非常に面白く、奥の深い競技であることが分かるだろう。

 それでも水球が、選手たちも言う「マイナーな競技」という位置に甘んじてきたいちばん大きな理由は、オリンピックでの成績にある。どうしても五輪競技は、出場の有無も含め、オリンピックでの活躍で注目度が左右されるからだ。

 人々の関心が低いことで競技人口も増えず、練習場所や時間の確保など選手生活を続ける上での環境がなかなか整わない。

 オリンピックへの出場が決まれば、世間の関心も今まで以上に増すだろうし、もし本番で活躍を見せれば、一気に注目が集まるだろう。それは、水球の地位を高めることにもつながる。

カーリングの認知度向上のように。

 近い例では、カーリングの認知度が、平昌五輪でLS北見が銅メダルを獲得したことによって飛躍的に高まったケースが挙げられる。LS北見の選手たちに限らず、平昌五輪の男子代表だったSC軽井沢クラブ、そしてこれまで五輪に出場してきた選手たち全員が、カーリングの地位向上を目指して戦ってきたのも事実である。

 水球がそれに続けるかどうかは2年後の活躍にかかっている。

 4月にニュージーランドで行なわれた水球ワールドリーグ2018インターコンチネンタルカップの成績により、女子日本代表は5月28日に開幕するスーパーファイナル出場を決めた。男子も6月18日開幕の同大会に出場する。

 舞い込んできた機会をいかせるかどうか。競技の将来を担って戦う選手たちに注目してほしい。

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