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ジュニア時代の指導者が語る、
中島翔哉、サッカー小僧の原点。
posted2018/04/06 11:30
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph by
Getty Images
中島翔哉、日本代表初出場、初得点。
3月23日、国際親善試合、1-1のドローに持ち込んだマリ戦での快挙を、永田雅人(日テレ・ベレーザ監督)はネットニュースで知った。
「特に驚きはなかったですね。翔哉に関しては、サッカーで何を起こしてもびっくりしないと思います」
いつものようにハイライトを見て、得点シーンを確認した。 これまで幾度となく繰り返されてきた長年の習慣だ。
永田と中島を結ぶ縁は、東京ヴェルディのアカデミーの頃に遡る。中島がジュニアの新小5セレクションを受けたとき、永田は評価を与えたひとりで、以降は指導者と選手の間柄になった。その関係は2010年、中島がユースに昇格し、同時に永田がジェフユナイテッド千葉のアカデミーに移籍するまで続いている。
新米に毛の生えた程度の若手指導者と、夢中になってボールを追いかけるサッカー小僧。立場は違えど、青の時代をともに過ごした。
「両足を使い、正確なキックができることをはじめ、翔哉の長所はいくつかありますが、最大の武器はスコアメイクができることです。
ポジショニング、ファーストタッチ、すべてはフィニッシュから逆算したもの。自分が点を取るために、必要な準備を怠らない」
「彼を真ん中に置けばチームが落ち着く」
マリ戦で、中島のゴールをアシストしたのは、同じく東京Vのアカデミーで育った三竿健斗である。
日本代表のシャツを着たふたりによる、東京V仕込みのショートパスの交換は胸に迫るものがあった。ふたつ下の三竿から、このぐらいは余裕で止められるでしょ、といったわりと強めのパスが中島の足元に入る。
三竿もまた、永田の教え子のひとりだ。
「技術やフィジカル、インテリジェンスなど求められる能力のアベレージが全体的に高く、常にいい姿勢で広い視野を保てる選手。彼を真ん中に置けば、自然とチームが落ち着きました」