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ジュニア時代の指導者が語る、
中島翔哉、サッカー小僧の原点。 

text by

海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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photograph byGetty Images

posted2018/04/06 11:30

ジュニア時代の指導者が語る、中島翔哉、サッカー小僧の原点。<Number Web> photograph by Getty Images

マリ戦での三竿(写真中央)と中島。東京ヴェルディのスタイルは、彼らの中で脈々と生き続けていた。

指導者として、永田はトップチームの監督に。

 ありったけの情熱で向き合った選手たちが、広い世界に出て躍動する。指導者冥利に尽きるだろう。

「自分たちが指導現場で選手に伝えていることを、国際レベルの舞台でふたりが体現してくれた。僕からは、おめでとうの気持ちより、もっとこういう絵をたくさん提供してほしいと言いたいです」

 指導者の道に入ってから育成畑を長く歩んできた永田は、今年、東京Vに呼び戻され、日テレ・ベレーザの監督に就任した。トップチームを率いるのは男女とも初めての経験だ。

 しかも、ベレーザはなでしこリーグ3連覇中。勝って当たり前の常勝軍団である。

 バトンタッチされた新指揮官の双肩にかかる責任、プレッシャーは尋常ではない。

 中島の代表初ゴールの2日後、ベレーザはAC長野パルセイロ・レディースに0-1で敗れ、今季初黒星を喫している。永田にとっては、初めて味わう種類の苦みに違いない。

「リーグ戦では昨年5月以来の敗戦だったと聞き、その重みを思い知りました。試合に臨む前のトレーニングの段階で、もっと打てる手があったのではないかと悔しさを感じます」

「さらに向上していくために、何をすべきなのか」

 中島が大きな飛躍を遂げようとしている一方、永田もまた新たな道を歩み始めている。

 恩師に報告と激励の連絡があってもよさそうなものだが、あいにくその手のわかりやすい可愛げを見せる人間ではない。

「翔哉はもう次のことを考えているんじゃないですか。さらに向上していくために、いま何をすべきなのか、というのを」

 永田は楽しげに言い、過ぐる日、サッカー小僧が駆け回っていたグラウンドを見やった。

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