ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハムの新スタジアム、運命の1日。
札幌市と北広島市がくれた感動を力に!
posted2018/03/29 10:30
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph by
Kyodo News
感動は推進力――。
栗山英樹監督が、よく口にする言葉である。
北海道日本ハムファイターズには、壮大な夢がある。その野望を語る時、大の大人たちの声のトーンが上がる。栗山監督、球団の要職に就く方々に、もちろん本社を含めた日本ハムグループで関連し、力強くサポートする人たち……。この話題になると、自然と人の輪ができる。一丸になって今、足並みを揃えて動いている。
2023年に建設、実現を目指すボールパークのことである。
2018年3月26日――。
いつの日か、忘れられない1日として、私も思い出すだろう。本プロジェクトに関しては、広報として末端に身を置いているとはいえ、感慨深い。大きく、時計の針は動いたのだ。数多の協議、検討、議論、最後の最後まで熟考を重ねて一定の方向性を出した。候補地を、北海道北広島市の「きたひろしま総合運動公園」予定地に絞ったのだ。
ここから先は、球団職員の立場だけに手前味噌の意見かもしれないと断っておく。その上で、ファイターズの一員としての思いを綴る。
きっと寂しさも、悲しさも込み上げてくるだろう。
断言できることがある。
革新的で、ロマンに満ち溢れたチャレンジになる。
ライバル球団の本拠地との単純な比較論ではなく、既存の概念にない魅力あふれたボールパークへとアプローチをしていくことになる。
この新球場構想が明るみになった当初から、ファンの方々を中心に賛否両論、貴重なご意見を頂戴していた。今シーズンで、札幌ドームを本拠地としてから15年目を迎えた。ファイターズとしても、ファンの皆様も、あの空間には思い出がいっぱい詰まっている。札幌ドームなくして、北海道日本ハムファイターズは成立しなかった。温かい支持をいただけるようになった今があるのは、札幌ドームが存在したからこそである。
選手も含めて、感謝という言葉しかないのは、嘘偽りのない本音だ。
新球場が完成した時には、さらにその思いは強くなるはずだ。きっと寂しさも、悲しさも込み上げてくるだろう。ファンの方々と同様に、我々職員も数々の深い思い出を刻んできた。