ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハムの新スタジアム、運命の1日。
札幌市と北広島市がくれた感動を力に!
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2018/03/29 10:30
昨年4月、秋元克広札幌市長(右)は日本ハム・島田利正球団代表に新球場候補地の提案書を渡した。候補地決定後も同志の関係は続く。
エールを送られた……札幌市役所での風景。
当方から、承認事項を正式に、公式に報告をした。
同席はしていないが、対面した球団側の2人から伝え聞いた、その際に札幌市側から贈られたメッセージに心を揺さぶられた。こんな言葉を、掛けてもらったという。
「素晴らしいボールパークを是非、北広島市につくってください」
私も広報として、今回の経過を共にした札幌市の方々とお会いした。こちらとしては正直、少々の心苦しさがあったが、ある人からは頭を下げられた。
「これまで、本当にありがとうございました。成功することを願っています。楽しみにしています。頑張ってください」
とっさに返す言葉が、見つからない。42歳。胸を打たれることは激減してきたが、敬服の極みだった。
北広島市役所は、厳かに、静かに……。
次の目的地へと急ぐ。北広島市役所である。こちらは状況として対極、歓喜と興奮に渦巻いているはずだろうと、これまた稚拙な邪推をしていた。
到着すると、また裏切られた。
厳かに、静かに、業務に勤しむ職員の方たちがいた。
いつもと違うのは、これまた報道陣の多さだろう。「きたひろしま総合運動公園」予定地を新球場の候補地に内定した確定情報が、球団リリースも含めてフルオープンになった午後5時過ぎ。その事実が館内放送で、庁舎内にアナウンスされた。おもむろに、職員の方々が立ち上がる。小さな歓声を上げ、スタンディングオベーション。意外にも興奮度は低い。
皆さん、ほぼ一様に、かすかな笑みをたたえているシーンが印象的だった。