球道雑記BACK NUMBER
先輩・源田壮亮に学んだ奥義を!
ロッテのドラ2藤岡裕大の“送球論”。
posted2018/02/19 08:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
「まずは守備からアピールしたい」
今年、トヨタ自動車から千葉ロッテにドラフト2位で入団した藤岡裕大は、記者団の質問にそう切り返した。
後日、藤岡にその言葉の意を詳しく聞かせてもらおうとしたところ、彼はこう言葉を繋いだ。
「野球はピッチャーを中心にまず守っていかなければいけない競技だと思っています。それができないとチームがスムーズに運びませんし、うまくいかない。バッティングの成績は責任が全て自分に降りかかってきますが、守備は投げているピッチャーの生活もかかってきます。そこを支えないと、お金を稼ぐこの(プロの)世界では生き残っていけない。なので僕は自分のことよりもチームを第一に考えたいですし、まずは守備なのかなって思うんです」
社会人出身とは言え、ここまで自分の考えを堂々と話せる選手もなかなかいない。もちろん、口だけじゃない。ある日の室内練習で、その言葉はしっかり証明された。
どう捕れば早く正確に投げられるか。
正面ノックの待機中、藤岡は何度も繰り返し守備動作の確認を行っていた。
「ボールを捕ってもしっかり投げれなければアウトにはできない。だから、どう捕りにいけば正確に早く投げられるのかを考えて、足の運びなどを意識しています。ただ捕れば良いだけじゃなく、どうやったら一番楽に投げられるか。それはトヨタ自動車のときにコーチから何度も言われてきたことですし、(ボールに)一歩入れれば、もっと簡単に投げられる。そこを追求しなければと思っています」
打球に対する一歩目、ボールへの入り方、捕球から送球までのステップ。あらゆる点で彼が工夫を凝らしているのが見て取れた。