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池田純に「Number」編集長が聞いた!
球団を5年間で黒字化できた要因とは。 

text by

松井一晃(Number編集長)

松井一晃(Number編集長)Kazuaki Matsui

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photograph bySUNNY SIDE UP

posted2017/10/02 17:30

池田純に「Number」編集長が聞いた!球団を5年間で黒字化できた要因とは。<Number Web> photograph by SUNNY SIDE UP

プロ野球で成功した経営メソッドを他のジャンルでも!

――池田さんがベイスターズで実現したことは他のプロスポーツでも実現可能でしょうか。

「可能だと思います。地域との関係性、エンタテインメント性……拙著『常識の超え方』(文藝春秋刊)にまとめたメソッドは、普遍的なものです。たとえば昨年からスタートしたBリーグ。『代表チームが苦戦していて、東京五輪に出場できるかどうかもわからないから大変だ』などという声もありますが、私は可能性があると思います。要はマーケットは地域ですから、地域のエンタテインメントスポーツになれるか。地域の人たちがバスケを“つまみ”に楽しみに来る場所になれるかどうかだと思います。その意味でもスタジアム同様、ハードとしてのアリーナは重要ですが」

 池田氏に話を聞いていて、元陸上十種競技日本チャンピオン武井壮さんの話をあらためて思い出した。たとえば先日、桐生祥秀選手が日本人として初めて100m9秒台を記録したが、あれがもし誰も人がいない山奥で1人で9秒台で走ったとして、何の価値があるだろう。

 アスリートやプロスポーツは見てくれる人がいて初めて社会的価値が生まれる。だからこそアスリートは、スタジアムに足を運んでもらうために、自分の価値を1人でも多くの人に知ってもらうために、本業=競技以外にも努力を惜しむべきではない――池田氏のメソッドは確かに普遍的なものであると、私は思う。

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#横浜DeNAベイスターズ

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