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昌子「天国か地獄かの試合で強くなる」
川口や闘莉王も緊張したW杯予選。
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![松本宣昭](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/08/24 13:40
![昌子「天国か地獄かの試合で強くなる」川口や闘莉王も緊張したW杯予選。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/700/img_91c8f184df6e8af5369f1b900ac86af4117529.jpg)
今季リーグ戦第23節終了時点でフルタイム出場、警告も1枚のみ。昌子の安定感は国内組で群を抜いている。
昌子の最終予選初先発は「やりづらかったんです」。
アジア最終予選での緊張感は、現役の代表選手にとっても同じ。
昌子源は、6月13日のイラク戦で「ここ最近の試合では、一番緊張した」という。試合前、代表4キャップ目にして最終予選初スタメンに抜擢された彼に、チームメイトたちが次々と声をかけてきた。
「大丈夫か? 緊張してないか?」
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「緊張せずにやれよ。頑張れよ」
この状況に、昌子自身は難しさを感じていた。
「正直、やりづらかったんです。『大丈夫っすよ』って返しても、強がっているように見えるだろうし。僕はまだ代表に入ったばかりと言っても、Jリーグで10試合ぐらいしか出ていないような選手じゃない。100試合以上戦っていますから。でも、次の2戦は6月よりもすんなりチームには入れると思います。イラク戦に出場したことで、周りの目も変わったでしょうから、より自分らしいプレーができると思います」
緊張とプレッシャーの乗り越え方は、千差万別。
川口は「普段、Jリーグでやっているルーティンだったり、試合への持って行き方を、変えないこと。そして、『これは闘いなんだ』と強く思うこと」と語る。
闘莉王は、「試合が始まって、ボールを触れば、自然と不安は消える。覚悟が決まるんです。確かにW杯予選の大一番は緊張するけど、その緊張が癖になるんですよね」。
「天国か地獄か。こんな試合、嫌いです。でもね……」
では、昌子の場合はどうか。
「天国か、地獄か。こんな試合、嫌いです。できることなら、味わいたくない。でもね、こういう試合に憧れてもいました。
センターバックは10本中9本を完璧に止めても、最後に1本決められたら批判に晒されるポジションです。だからこそ、プレッシャーが成長の糧になる。天国か地獄かの舞台で、僕自身はもっと強くなるはずですから。イラク戦の前は、緊張しました。オーストラリア戦の前も、緊張すると思います。でも、キックオフが迫れば大丈夫。『しゃあない。やるしかない。頑張ろう』って、自然となるんです」
間もなく、「天国か、地獄か」の一戦が始まる。24歳で迎える大一番。鹿島で公式戦150試合以上を戦ってきた男の覚悟を、見せてやれ。
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